糖尿病とは


血液の中の糖分は人間の重要なエネルギー源であるため、決して尿の中に漏れ出ないような機構がついています。 しかし血液の中の糖の濃度があまりにも高いと、その機構が追いつかず、尿の中に糖分が漏れだしてしまいます。 尿に本来出るはずの無い糖分が出るので、糖尿病と言う名前がついています。 糖尿病は下に示しますような、多くの病気の原因になる恐ろしい病気です。

本当に怖いのは合併症


糖尿病はあらゆる臓器をいためます。糖尿病の合併症を大きく分けると6つ挙げておきます。
  1. 心臓の血管の動脈硬化による、心筋梗塞
  2. 脳の動脈の動脈硬化による、脳梗塞
  3. 手足の動脈硬化による、血流障害、壊疽(手足に血液が流れなくなり、腐ってきます。 切断が必要となることも有ります)
  4. 網膜病変、(糖尿病性網膜症)それによる失明(目が見えなくなります)
  5. 自律神経障害(インポテンツ・起立性低血圧・失神・しびれなど)
  6. 腎障害(ネフローゼ症候群、糖尿病性腎症)、人工透析が必要となります。

糖が細胞の中に取り込まれなくなる


人の体は、糖を細胞の中に取り込み、それをエネルギー源としています。 糖尿病の病態は大まかにいって、血液の中の糖分を体の各臓器の細胞内に取り込むために必要なインスリンが出なくなるか、インスリンにたいして体の細胞が無反応になることによって、細胞の中に糖分が入っていかないことが最大の問題です。 糖が細胞の中に入らず、血液の中にとどまるため血糖値が高くなります。
インスリンが出なくなる病気を1型糖尿病(2型の一部)、インスリンに対して無反応になる病気を2型糖尿病と言います。 
三好クリニックでは、インスリン注射が必要なI型糖尿病の方を、糖尿病専門外来にご紹介さし上げています。

血液の中の糖濃度が重要


糖尿病の病気の重症度は血液の中の糖の濃度が重要です。 糖の濃度が高いほど、多くの合併症を引き起こします。 人間の体の中の糖の濃度は多くのホルモンによって厳密にコントロールされていて、常に空腹時に80mg/dl~110mg/dl、どれだけ食べても食後は140mg/dl以上を超えることは有りません。 血液の中の糖分はゆっくりと血液中の赤血球内のヘモグロビンと反応するため、糖に反応したヘモグロビン濃度を測定することで、1ヶ月の平均血糖値を概算することができます。 これをHBA1c (ヘモグロビン・エー・ワン・シー)と言い、採血で簡単に調べることが出来ます。健康診断などで必ず測定されていると思います。 一般的にHBA1cは5.5を超えると異常(施設や測定法によって少々異なります)で、超えていれば糖尿病の一歩手前(耐糖能異常)と考えていただいた方がよろしいかと思います。 軽症の糖尿病は、生活習慣の改善で必ず改善しますが、HBA1cが6.5を超えるようになると、内服薬の治療が患者様の命を守るために必要となります。 ちなみにHBA1cが6.5を超えている患者さんは経験的に血糖値が食直後の血糖が300mg/dlを超えていることが多いと思います。
血糖値が高いということは、それだけ細胞の中に十分糖分が入っていかないことの現れなのです。

続きを読む



三好クリニック(内科)
〜青山・表参道〜