脈が乱れる(ドキドキして脈が全くバラバラになる)





「最近、なぜかだるい」、「階段を上ったりすると息切れがする様になった」といった症状がある場合や、「健康診断で心房細動と言われた」と言うだけで特に自覚症状がない場合があります。 心房細動や心房粗動は比較的循環器外来でよくお見かけする不整脈です。それ自体が命に関わる不整脈ではありませんが、この治療法は最近大きく様変わりしてきました。


こんな病気が考えられます


心房細動:

通常の人の安静時の心拍数は毎分50~90拍程度で、そのリズムも規則正しく等間隔です。 しかし、高血圧や老化現象の一種で、心房が痙攣してしまう事があります(600/分ほど収縮)。 この状況を心房細動と言います。最近ではこの原因のほとんどが左心房に付着した肺静脈に原因がある事が分かって来ており、左心房の病気だと考えられています。
通常のリズムならば、心房の収縮と心室の収縮は1対1に対応していますが、心房の興奮があまりにも早いと、そのうちいくつかは間引かれて心室につたわります。その伝わりがランダム(無秩序)に間引かれるため、患者様に取ってはリズムがバラバラ(無秩序)になると感じる事があります。 症状は患者さんによって全く異なります。 心房の収縮は心室の補助ポンプの役目があるため、心臓全体としては3割ぐらいのパワーダウンとなりますが、人は心臓のパワーのごく一部しか使っていないので、症状が全く無い患者様もいらっしゃいます。
その一方で、「胸が痛む」、「押される様だ」、「息苦しい」と言った症状が出現する事もあり、苦しさのあまり寝込んでしまったりするほど症状が強い方もおられます。この症状の強弱は患者様それぞれでだいぶ違う様です。

心房粗動:

心房細動と異なるのは、心房の痙攣が300回/分程度である事と、心電図上、比較的明瞭な心房波が見られる事が多いです。 主に右心房の下大静脈と三尖弁の間を主要な回路として生じる不整脈で、患者様の症状としては、心房細動より症状の強い方が多い様に見受けます。

治療法


いずれもに命に関わる不整脈ではありません。 患者様の数が多く、10人に1人は一生のうちに一度経験すると言われています。またこの不整脈がきっかけで、高血圧、心臓弁膜症が発見されて治療が始まるケースもあり、定期的な心臓超音波検査を受けて頂く事が望ましいです。 この不整脈治療の大きな柱は2つ、1)症状の緩和 2)血栓塞栓症の予防(主に脳梗塞の予防)となります。 特に血栓塞栓症の予防の重要性は2002年ごろより世界的に注目され始め、古くからあるワーファリンという薬剤に代わって最近では副作用の少ない、多くの薬剤が発売され始めています(
抗凝固薬の詳細はこちらへどうぞ)。 また症状が強い場合、抗不整脈薬の投与を行いますが、それでも症状が強く薬剤の効果がない場合や、薬剤の副作用によって内服治療が困難な場合やその他の患者様の状況によって、カテーテルアブレーションによる心臓内カテーテル手術にて治療や、ペースメーカー挿入手術をする場合があります。
カテーテルアブレーションとなる様でしたら、心房細動のカテーテルアブレーションを積極的に行っている東京の大学病院をご紹介致します。
心房細動に付いてもう少し詳しくお知りになりたければ、
こちらもご覧ください。

三好クリニック(内科)
〜青山・表参道〜