三好クリニック 青山・表参道

内科・循環器・高血圧・不整脈

高コレステロール血症


高コレステロール血症は脂質異常症と呼ばれるようになりつつあります。 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版が発表され、今までのように画一的な治療目標ではなく、患者さんの年齢や血圧などの患者さんのリスクに合わせて、治療目標を設定するようになりつつあります。 そのため治療方針は患者さん一人一人によってことなります。  

善玉コレステロールと悪玉コレステロール


コレステロールの治療では、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が高いといけません。 また中性脂肪が400を超えるぐらいとても高い患者さんだと、中性脂肪が干渉して悪玉コレステロールがうまく測定できないため、そのような場合には、善玉コレステロール(HDLコレステロール)以外のコレステロール non-HDLコレステロールを治療の指針としましょうと言うことが大きな流れとなりつつあります。
それまで
・ 総コレステロール(TC) = 悪玉(LDL)コレステロール + 善玉(HDL)コレステロール + 中性脂肪÷5
と計算されていましたが、現在ではLDLコレステロールを直接測定することが多いです。 また
・ non-HDLコレステロール = 総コレステロール(TC) - 善玉(HDL)コレステロール
と計算して、善玉以外のコレステロール値もきちんとコントロールする必要があるのです。

高コレステロール血症は何が悪いのか?


悪玉コレステロールであるLDLが多いと、動脈硬化が早く進行し、脳梗塞や心筋梗塞等の致命的な合併症を引き起こすことが知られています。 そういった重要な臓器の血管の閉塞だけで無く、 皮膚の血管や頭髪の血管が動脈硬化を起こせば、皮膚のつやや張りがなくなり、年齢に比してしわが増え、毛が白くなったり、抜けたりするでしょう。 簡単に言うと、年齢と比べて老けるのが早くなる様に感じます。 その最も危険な代表として、脳梗塞や心筋梗塞があります。

まずは患者さんのリスクを知る


健康診断や人間ドックなどで、行われた採血結果で異常を指摘された場合でも、皆様が治療がすぐに必要というわけでは有りません。 その患者さんにお薬などによる治療介入が必要かどうかは、その患者さんのリスクをまず知ることから始めます。
まず心筋梗塞などの冠動脈疾患の既往がある患者さんは治療の「2次予防」という最も厳しい治療が必要となります。
それ以外の患者さんは、糖尿病・慢性腎臓病疾患・脳梗塞(心房細動以外)・末梢動脈疾患などが有れば、「1次予防 高リスク群」の治療が必要となります。
それらに該当しない患者さんは、少々複雑な計算式をつかって、その患者さんがどの程度のリスクがあるのかを計算することができます。 これについては、あまりにも複雑な判断と計算が必要となりますので医者に任せてください、でも気になる方はこちらなど参考にしてください。(
http://www.kyowamx.co.jp/pdf/lipid/info21_lipid.pdf)
こういったことで、患者さんそれぞれのこれから10年間の間に起こりうるリスクについて評価して、それに合わせて治療法を決定してゆくことになります。

治療の概略


それぞれのリスクに合わせて治療の目標値が異なります。 しかし実際には善玉コレステロールを増やす方法や、中性脂肪を減らす方法は、薬ではあまり効果が無く、運動や体重を落としてもらう以外なく、医者が介入できるのは悪玉コレステロール(LDL-コレステロール)を下げること以外あまり目立ってはありません。 
今回のガイドラインは中性脂肪が異常に高い患者さんの悪玉コレステロール(LDL-コレステロール)が、見かけ上とても低く測定されてしまってきちんとリスク管理ができないことから、 Non-HDL-コレステロールも指標に組み込まれているところが目新しいです。 ただこれに該当する患者さんは 中性脂肪がとても高い患者さんですね。 普通の患者さんは今まで通りLDLコレステロールの目標値だけで大丈夫だと考えます。

脂質異常症管理目標値

治療方針の原則

管理区分

脂質管理目標(mg/dl)

LDL-C()

non-HDL-C

中性脂肪

HDL()

2次予防

冠動脈疾患の既往

<100 (<70)*

<130 (<100)*

<150

40以上

1次予防

高リスク

<120

<150

中リスク

<140

<170

低リスク

<160

<190

*家族性高コレステロール血症、急性冠動脈症候群の際に考慮する、糖尿病でも他の高リスク病態を合併するときにはこれに準じる
まずはLDL-Cの管理目標値を達成し、その後non-HDL-Cの目標値の達成を目指す


コレステロールの治療


動物性脂肪食を控える。 禁煙、減量や運動、禁酒等で改善することも有り、それらの生活指導が重要です。 血液中のコレステロールは大まかに、食事から吸収されるものが半分、そして体内で作られるものが半分程度と言われています。 そのため、食事制限や生活習慣の調整だけではどうしても適切にコントロールできない場合があります。 その場合内服薬の治療をお願いしています。 コレステロールを下げる薬剤は、何系統かあるが、それらを組み合わせて治療を行います。 

スタチン系コレステロール治療薬


特にスタチン系と言われる肝臓でのコレステロール自己生産を押さえる薬剤の効果は安定してい、それが治療の主体となります。 この薬剤はコレステロールを下げる以外にも、老化を押さえる作用も知られていて、そのような作用を期待して処方している場合もあります。 極量に近いぐらいの極端に多い量を飲むと、筋肉の炎症を引き起こすことが知られていて、とてもまれにではありますが筋炎や肝炎をおこすことが知られていて、定期的に採血を行って副作用のチェックを行う必要があります。 副作用が心配で、普通の筋肉痛なのに自己中断する方もおられますが、人の寿命をのばすことが出来るとても大事な薬でもありますので、軽症であれば採血をして、普通の筋肉痛か薬剤の副作用かをチェックされてから、中止の判断を医者と一緒に相談することをお勧めします。