三好クリニック 青山・表参道

内科・循環器・高血圧・不整脈

心不全ってなんですか?


心臓のポンプ機能が低下して、日常の動作程度でも十分な血液の量を全身に送り出す事が出来なくなる状況です。 心不全にはいくつかの種類があり、それぞれ症状も異なります。

どんな症状が出ますか?


日常生活の範囲内で体を動かすと、心臓は安静時の5倍から7倍の仕事をします。 ですので初期の心不全では労作時に限って症状が現れます。運動や体を動かしている際に、「息が上がる」「息苦しくなり休む」「動悸が激しくなる」といった症状がとしてあらわれます(左心不全:労作時呼吸困難)。 さらに悪化すると、安静時にも症状が出始めます。特に水平に寝ると、足や下半身からの血液が心臓に戻ってきます、そのため「寝ると息苦しくなるため、起き上がって一夜を過ごした」といった症状となる場合があります(左心不全:起座呼吸)。 このような症状がある場合、緊急入院が必要な場合もあります。 それ以外でも、「体重が1日〜2日で5kgとか10kgとか増加した」り、「両足がパンパンに腫れて靴が履けなくなった」り、「ものを食べるとすぐにお腹いっぱいになってしまう」、といった症状で出現する事もあります(右心不全)。
また治療を行っていく上で、心臓の筋肉を守り長持ちさせるために、逆に心臓の機能を一時的に休める薬を内服してもらう事があります。薬の量と患者様の心臓の状況によっては、呼吸が苦しくなるというよりはむしろ、「だるい」、「動く気力が無い」、「尿が全く出なくなった」と言った症状で出現してくる事もあります(低心拍出量症候群)。 いずれにせよ同じ様な症状でも全く心臓とは関係のない場合もありますので、医者に相談し、適切な検査を受けて正確な診断をしてもらう事が重要です。

原因はなんですか?


心筋梗塞や虚血性心疾患という心臓の筋肉が血流の遮断で動かなくなったり死んでしまったり(壊死)して、筋肉量が減少しても起こる事があります。 心臓の筋肉がウイルス感染症によって炎症を起こして動きにくくなったり(ウイルス性心筋炎)、原因不明あるいは遺伝性の病気で心臓の筋肉が変性脱落してしまったり(拡張型心筋症)する場合があります。 
心臓の弁の機能不全、先天性の心臓の病気(シャント性心疾患)、心房細動等の頻脈性の不整脈、房室ブロック等の徐脈性不整脈、肺梗塞等で出現する場合もあります、貧血、高熱等が引き金になって症状が出現する事もあります。 
(頻度の少ない原因はあえて記載しません)

どんな検査で解りますか?


胸部レントゲン写真、心臓超音波検査(心エコー)、採血(BNP検査)等で心臓の状態を見る事で、心臓のポンプ機能を判断する事が出来ます。

放っておいたらどうなります?


病気の早期から適切な治療をしておかなくては、心臓の筋肉がバテてしまいます。 その他の臓器にも十分な血液が行かなくなってしまえば、手当が出来なくなる場合も(手遅れ)ありますので、ご注意ください。 急激に進行する病気が隠れていないか? 特殊な治療で進行をある程度食い止める事が出来る病気が隠れていないか等をチェックする事が出来ます。 また低心機能の患者様では致死的不整脈等で突然死される方もおられるので定期的に24時間心電図等で不整脈をモニターする事をお勧めします。

治らないのですか? 治療法はありますか?


進行性の心筋の変性疾患さえ無ければ、内服薬の投与で進行を遅らせ、生命予後を改善させる事が出来ます。 内服薬の主なものは、β遮断薬、ACE(エース)阻害薬、アンギオテンシン受容体拮抗薬(ARB)等になります。 これらの薬剤は降圧薬としても利用される薬剤であります。 元々血圧の低い方には用いる事が出来ない場合もあります。心臓は約5リッターの循環血液量を循環させています。 それはとどまる事はありません。 しかし、心臓のポンプ機能が低下しすぎて、循環血液量をまわしきれなくなって来た場合、多くの不快な症状が患者様を苦しめます。 そういった場合、塩分制限・水分制限・強制利尿薬等を投与して循環血液量を少なくして症状を緩和します。 しかし循環血液量があまり低下しすぎると、腎機能を傷めるため、採血データーを見ながら適正に体液量をコントロールしてゆく必要があります。 
さらに進行した場合、心室再同期療法(メースメーカー植込み術)を行ったり、症例によっては免疫吸着療法という治療法が有効である場合があります(施設をご紹介致します)。
これらでも不十分な心不全となれば、入院していただき、強心剤等の治療が必要となったり、補助循環装置の装着が必要となったり、生体心移植が必要となる場合もあります。
ポンプ機能の低下が重症で、入院が頻回に必要な患者さんは、入院施設を持った病院での定期的な経過観察が適切です。その場合紹介状をおかきします。

ここに記載した記述は、心不全の病態のごく一部です。詳しくは主治医に相談してください。患者様の病態にあった説明をしていただけるかと思います。