手術で抗凝固療法・抗血小板療法を中止される方に


最近では歯科での抜歯手術時にINRが適正な値であればワーファリンを中止せずに抜歯する施設が多くなっています。 また抜歯時にワーファリンを一時停止することによるリスクが意外に高いことが問題となっており、特に脳梗塞をおこすリスクの高い患者さんでは、入院の上検査や治療を行う必要があります。 リスクが高いか低いかという点に付いては主治医の判断によります。 患者様の病状やそれまでの経過を考え合わせて対応させていただきます。

リスクの低い患者様

 一般的にワーファリンならば手術の2日前に中止すると手術当日にはほとんどワーファリンの効果はなくなっています。 また抗血小板薬は5〜7日中止することで、手術で止血が問題となることはなくなります(心臓外科手術を除きます)。 プラザキサであれば、当日朝のプラザキサを止めるだけで、効果はなくなっています。 薬剤再開は手術翌日あるいはその日の夜から、以前と同量で再開することが多いです。

リスクの高い患者様

 例えば以前ワーファリンの休薬で脳梗塞をおこしてしまった既往のある患者様、人工弁(機械弁)を入れておられる患者様の一部、心機能がきわめて悪い患者様、糖尿病、高血圧などのリスクの高い患者様や抗リン脂質抗体陽性など、血液が固まりやすい素因のある患者様では、一時的でもワーファリンを中止することでその影響が1週間近く及ぶことが知られていて、そのために手術の前後で脳梗塞や塞栓症状をおこされる患者さんがおられます。 そのような場合には、入院していただき、ワーファリンの代わりにヘパリン等の作用時間の短い注射薬を手術の直前まで使用し、直前に中止して手術に望むという方法を取ることが多いです。 そのような場合、こちらで検査データー等を添えて、入院が出来る施設へ紹介状をお書きします。 遠慮なくご指示下さい。
三好クリニック(内科)
〜青山・表参道〜