三好クリニック 青山・表参道

内科・循環器・高血圧・不整脈

『体重が減らないんですが・・・』5

今回が最終回です。 ダイエットで最も難しく、最も自分自身が注意していることです。 それは減量した体重で維持すると言うことです。 
ダイエットに成功した。 10kgやせた。 その後、ダイエット成功記念に馬鹿食いして、体重が戻ってしまった経験ありませんか? 今までの体重との差を、「まだ貯金があるから食べて良い!」と考えて、食べ続けたりしませんか? なんとなく、外来で拝見していて、ダイエットに成功する患者さん結構いらっしゃるのですが、私も含めて結構多くの方が、また元の体重に戻ってしまう様です。 少しの理性と少しの忍耐さえあれば、実は体重を減らすのは誰にでも出来る簡単な事です。 たた食べなければ良いのですから。 でもその後目標体重を維持するのは本当に難しく、そしてそれが肥満の方に最も必要な事なのだと思います。 ここでは、その最終奥義(?)を伝授しておきます。 

17,運動は必要です


ダイエットに運動が必要な理由は、一つは「便秘の解消」です。 体を動かすことで、体幹に振動や上下の揺さぶりがかかり、それが胃腸の蠕動運動を助ける働きがあります。 入院患者さんがベット上で生活すると、皆さん便秘になります。 それは、胃腸を食物が移動するのに、腸の壁の動きだけでは不十分なのでしょうね。 
2つめは、「食事から目をそらす」効果です。 「体を動くとお腹減るんじゃ無いか」と不安から、ダイエット中は体を動かしたくなくなってきます。 でも、体を動かしていた方が食事の事を考えずにすみますし、食欲のコントロールは容易です。 皆さんも、職場で忙しくて、朝から晩までかけずり回って、夕食時になって、「ああそういえば、昼食べてなかったな」って経験ありますよね。 体を動かしている間は、あんまり食事を取ろうと脳は考えないのだと思います。 
そして最後の理由は、「基礎代謝を上げる」ことです。 一番体の中でエネルギーを消費するのは筋肉だと言うことです。 筋肉の量が減ってくると、基礎代謝量が減り、同じ量の食事制限をしていても、体重が減りにくくなります。 筋肉の量が最も多いのは、背筋と太股と、臀部の筋肉です。 ダイエット中もも上げ30回とかスクワッティング20回とか足腰を動かす運動はしておくべきだと思います。 筋肉の体積が大きければ、その分存在しているだけで消費していくエネルギー量も大きくなります。 逆に言うとダイエットをしていて、低体温になってしまっている人は、筋肉量が足りないと思った方が良いでしょう。 ダイエット中に運動をしていないと、筋肉は不要なものと体が判断して、脂肪ではなく筋肉を先に分解して糖分を作り出そうとします。 なので、運動せずに食事だけでダイエットを実行しようとすると、やせにくい体になってしまうのですね。 
運動で消費するカロリーはたいしたことないのですが、それ以外の効果が期待できるからです。 筋肉は2−3日使わないとすぐに減り、使い始めても筋肉量が増えてくるのに2−3ヶ月はかかります。 馬鹿にしないでたとえ少しでも毎日運動することが大事ですね。

18,体重の維持が難しい(ダイエットの落とし穴4)


目標の体重が達成できた後、僕自身はその体重を維持するのが一番難しい気がしています。 まず目標の体重が達成できたとしても、その後も体重計で体重は毎日測定するべきです。 体重が順調に減ってくると、あるところでこれ以上減ったらまずいんじゃないかと思う時があります。 その場合、その体重に近づいてきたら、主食の量で調整するのは難しいので、はじめのうちは菓子類で量を調整してゆく必要があります。 その際には必ず体重を見て、食べるかどうか判断した方が良いでしょうね。 そのうち最終的には主食の量を増やして、菓子類を減らしてという事になっていくのでしょう。 また空腹時のタイミングに菓子類を食べてしまうと、空腹感が強くなり結局後で反省するぐらい食べてしまいがちなので、食後とかに考えた方が良いのかもしれません。 毎日体重を計って食後目標体重を超えていたら、絶対に食べないというように調整してゆくという方法なのだとおもいます。 前のセクションで、断食はあまりおすすめしないと申し上げましたが、早く体重が減りますが、体重の維持に移行するときに、自分に適切な食事の量が全くわからなくて困ります。 食べると食欲がわいてくるので、太るのが怖くてご飯が食べられなくなります。 あるいは、元の食事に戻ってしまい、結局元の体重に戻って今します。 減量中もある程度の食事が必要なのは、その後の自分に適切な食事の量を知っておく、という理由があると思います。 
毎回思いますが、体重を計るのをやめてしまうと、普通は元の体重に戻ってしまいます。 元々太っていると言うことは、自分の食欲を基準に食事をしていると、必ず元の体重に自然に戻ります。 体重のコントロールできない患者さんは、私も含めて食欲のメモリの壊れた人なのだと思います。 自分の体重をきちんと見つめて、体重に合わせて食べる量を調整するしか無いのだろうと思います。 道路工事などのハードな肉体労働一日8時間以上続けていれば、体重計に頼って体を維持する必要も無いのでしょうけれど、残念ながら私などのデスクワークや車や電車での移動がほとんどの仕事環境ではこうやって調整する以外無い様です。 

19まとめ


おそらく肥満気味で食欲が抑えられない方は空腹に対する恐怖感が強すぎるのだと思います。 一種の不安神経症なのかなと思っています。 肥満の患者さんにとって、「空腹を感じたらすぐ食べてしまう」という行為は逆効果なのだと思います。 標準体重からプラス10kgの方はカロリーの含んだ食事を全く取らないでも1ヶ月間は普通に活動できるだけのエネルギーを蓄えています。 その脂肪を信じれば、食べない事で必ず空腹感は去って行きます。 それを信じれば(肥満から)救われるでしょう。 ちょっと最後は宗教の文言みたいになりましたね・・。