インフルエンザ
インフルエンザ
2013/01/12 14:53 格納先:患者様へ
寒いですね。 表参道今年はライトアップが無いと思っていたら、道路の低い生け垣に電飾が付けられています。 少し華やかです。
最近、インフルエンザA型の患者さん増えてますね。 こちらでワクチンを打たれた方も感染しておられました。 なんだか無言で非難されているような気分になりました・・・。 インフルエンザワクチンは今年流行する抗原を予想して抗体を作ります。 ウイルスのタンパク質に対して抗体を作りますので、おそらくある程度は効果があるのだと思いますが、 一般的に効果があるのは7割程度と言われています。 つまり3割の方は感染します。 私が思うに、体の免疫がウイルスと戦うメカニズムは、リンパ球などの細胞を介した免疫が主体です。 なので、ウイルスに対する蛋白に対する抗体と言う蛋白をたくさん作っても、完全にはウイルスを駆除する事は出来ないのではないでしょうか。 なのでやはり、ワクチンはあくまで補助的な物であって、インフルエンザの予防は患者さん自身が自分たちの生活習慣を見直しながらウイルスと対抗してゆかなくてはなりません。
インフルエンザのウイルスは、患者さんの咳の中の小さな飛沫に大量に含まれています。 最終的にはそれが、のどや鼻の粘膜に取り付いてそこで増殖して感染する訳です。 僕が個人的に思う予防法をちょっと列挙してみます。
1、手洗いをする
疫学的な研究で確かに証明されているのは、風邪やインフルエンザの予防効果が最も高いのは手洗いだということです。 しかし同室の人が感染していたり、家族が感染していると、ずっと洗っているしかない事になってしまいますよね。 何かドアノブや、いろいろなところに触れた手、そこにウイルスが付いている訳です。 でもウイルスはずっと空気中で生存できる訳ではありません。 ウイルスの増殖には生きた細胞が必要です。 なので一度患者さんから離れたウイルスは、必ず少しづつ壊れてゆく訳です。 そう出なければ冬に吐き出したインフルエンザのウイルスが付いたドアノブを夏に触った別の人が感染するはずです。 しかし、そんな事は現実にはない訳で、必ず少しづつウイルスは壊れてゆくのです。
2、加湿と室温を高くしておく
インフルエンザのウイルスは、湿度と高い温度に弱いです。 なので部屋を暖かく、そして適度に加湿しておく事は、ウイルスの量をへらすのに重要です。 おそらく感染にはある程度のウイルスの量が必要なのだと思われます。 温度の低い空気は元々、少ししか水分を含む事が出来ません。 なのでその冷たい空気を空調で暖めると、同じだけ水分が含まれていても空気中の湿度は低下します。 雨が降っている時でも、その空気を室内に入れて暖めれば、必ず乾燥する訳です。 なので暖かい室内で加湿器や、濡れタオル等を近くにおいておかれるのは良いかと思います。 口の回りだけと考えると、マスク等は吐いた息の水分を蓄えるので、口の回りが加湿されます。
3、むやみに口元に手を持って行かない マスクをする。
ウイルスがアタックする場所は口の中や鼻の穴の中の、潤った粘膜の部分です。 ウイルスの粒子は確かに空気中をしばらく漂っていますが、多くは、床やテーブル、ドアノブ等に落下して存在しています。 それを手に付けて口元に持って行ってしまうために感染がおきるとかんがえられます。 なので手洗いが重要なのでしょう。 手を介して感染しているという事だと思います。 マスクには口の回りに直接手を持って行け無くなるという点効果があります。 人は考え事をしているとき、無意識に口に手を持って行く事が多いです。 鼻を触ったり、眼鏡を触ったり・・。 そういう動作の時に間違って手を口に直接触れない様にするのが良いのかもしれません。
4、喉や首を冷やさない
人の体は、暖かい血液が流れているのでなかなか冷えません。しかし、首や喉は断面積が小さく、露出する傾向にあるので、結構外気温に影響を受けやすいです。 粘膜の温度が下がると、免疫細胞の活動も低下して、少量は入り込んだウイルスにたいしても十分な防御機能を発揮できません。 出来るだけ、喉の部分を冷やさない様な格好が望ましいです。
5、換気をする
外の温度が低いのに、窓を開けると室温が下がります。なので室温を高くするという事と矛盾します。 しかし、例えばインフルエンザにかかった人が同居している、あるいは室内に入って来てしまった。 さらにそこでゲホゲホと咳をして立ち去って行った場合。 室内には大量のインフルエンザウイルスが舞い上がっている状態になっているはずです。 そのままその室内に居続ければ感染してしまいます。 しかし、そのとき、20秒でも30秒でも、窓を開けて換気をすると、ウイルスの量は減少して、だいぶ喉の調子は良くなります。 あまり長く開けっ放しにすると、室温が下がってしまいますのでよくありません。 おそらくそのぐらいの時間ですと、家具や床や壁が芯まで冷えませんので、窓を閉めるとまた比較的短時間で室温は戻ってくるでしょう。
6、アルコール消毒
感染した患者さんに直接アルコールを振りかけても消毒にはなりません。 ウイルスは細胞の中に居ますので・・・。 なのでアルコールを飲んだからといって、インフルエンザには勝てません。 アルコールで消毒する場所は、よく皆さんが触れる場所、例えば、ドアノブやテーブル、電話機、コンピューターのキーボード、リモコン、電気のスイッチ等でしょうか・・。 アルコールを含んだウエットティッシュで時々拭いてあげるとか、後は最近薬局等でも売っている、刷り込み式の速乾性アルコール(ローションが入っているやつが良いです)を使うのが良いでしょうね。 あまり手を洗いすぎて手が乾燥してしまっているのはあまり感染防御には良くないと思います。
7、手荒れを防ぐ
手の表面、特に指先にはいろいろな生体防御用の酵素が汗とともに分泌されていると言います。 皮膚は潤いが保たれている時には、そういった防御機能が高まりますが、乾燥して、ひび割れていたりするとそういった機能は低下するのでは無いかなーと思っています。 仕事柄消毒のためにアルコールを頻繁に使うわけなのですが、結構指先がアルコールで脱脂されて、乾燥して荒れてきます。 なのでよくハンドクリームを使っています。
8、のど飴、紅茶等
ハッカ等の入ったすーっとする飴ではなく、普通の飴等でも良いと思います。 とにかく唾液が出る事で、口の中の菌量はぐっと減ると言われています。 ならば、ウイルスも同じなのではないかなー、と密かに思っています。 紅茶も良いですよね。 やはり主に口の中に存在しているウイルス量を減らすという事が重要なのかなと思います。 飲み込んで胃まで落ちれば、強い胃酸が待っていますので・・。
私も、毎日インフルエンザの患者さんを拝見している訳で、いつ感染してもおかしくないはずなのですが (というか普通一番に感染するはずなのですが・・・。)、なんとか耐え忍んでいます(内心ドキドキしながらですが)。 私も人ですので、感染する訳です。 なので、今はマスクしながら診察しています。 最後の方はほとんど独断と偏見でしょうけれど・・・。
ワクチンを打ったからといって、安心しないで出来るだけ、感染防御に勤めていてください。 受験生の皆様は特にこれからが勝負のときです。 風邪等ひかない様がんばってくださいね。
最近、インフルエンザA型の患者さん増えてますね。 こちらでワクチンを打たれた方も感染しておられました。 なんだか無言で非難されているような気分になりました・・・。 インフルエンザワクチンは今年流行する抗原を予想して抗体を作ります。 ウイルスのタンパク質に対して抗体を作りますので、おそらくある程度は効果があるのだと思いますが、 一般的に効果があるのは7割程度と言われています。 つまり3割の方は感染します。 私が思うに、体の免疫がウイルスと戦うメカニズムは、リンパ球などの細胞を介した免疫が主体です。 なので、ウイルスに対する蛋白に対する抗体と言う蛋白をたくさん作っても、完全にはウイルスを駆除する事は出来ないのではないでしょうか。 なのでやはり、ワクチンはあくまで補助的な物であって、インフルエンザの予防は患者さん自身が自分たちの生活習慣を見直しながらウイルスと対抗してゆかなくてはなりません。
インフルエンザのウイルスは、患者さんの咳の中の小さな飛沫に大量に含まれています。 最終的にはそれが、のどや鼻の粘膜に取り付いてそこで増殖して感染する訳です。 僕が個人的に思う予防法をちょっと列挙してみます。
1、手洗いをする
疫学的な研究で確かに証明されているのは、風邪やインフルエンザの予防効果が最も高いのは手洗いだということです。 しかし同室の人が感染していたり、家族が感染していると、ずっと洗っているしかない事になってしまいますよね。 何かドアノブや、いろいろなところに触れた手、そこにウイルスが付いている訳です。 でもウイルスはずっと空気中で生存できる訳ではありません。 ウイルスの増殖には生きた細胞が必要です。 なので一度患者さんから離れたウイルスは、必ず少しづつ壊れてゆく訳です。 そう出なければ冬に吐き出したインフルエンザのウイルスが付いたドアノブを夏に触った別の人が感染するはずです。 しかし、そんな事は現実にはない訳で、必ず少しづつウイルスは壊れてゆくのです。
2、加湿と室温を高くしておく
インフルエンザのウイルスは、湿度と高い温度に弱いです。 なので部屋を暖かく、そして適度に加湿しておく事は、ウイルスの量をへらすのに重要です。 おそらく感染にはある程度のウイルスの量が必要なのだと思われます。 温度の低い空気は元々、少ししか水分を含む事が出来ません。 なのでその冷たい空気を空調で暖めると、同じだけ水分が含まれていても空気中の湿度は低下します。 雨が降っている時でも、その空気を室内に入れて暖めれば、必ず乾燥する訳です。 なので暖かい室内で加湿器や、濡れタオル等を近くにおいておかれるのは良いかと思います。 口の回りだけと考えると、マスク等は吐いた息の水分を蓄えるので、口の回りが加湿されます。
3、むやみに口元に手を持って行かない マスクをする。
ウイルスがアタックする場所は口の中や鼻の穴の中の、潤った粘膜の部分です。 ウイルスの粒子は確かに空気中をしばらく漂っていますが、多くは、床やテーブル、ドアノブ等に落下して存在しています。 それを手に付けて口元に持って行ってしまうために感染がおきるとかんがえられます。 なので手洗いが重要なのでしょう。 手を介して感染しているという事だと思います。 マスクには口の回りに直接手を持って行け無くなるという点効果があります。 人は考え事をしているとき、無意識に口に手を持って行く事が多いです。 鼻を触ったり、眼鏡を触ったり・・。 そういう動作の時に間違って手を口に直接触れない様にするのが良いのかもしれません。
4、喉や首を冷やさない
人の体は、暖かい血液が流れているのでなかなか冷えません。しかし、首や喉は断面積が小さく、露出する傾向にあるので、結構外気温に影響を受けやすいです。 粘膜の温度が下がると、免疫細胞の活動も低下して、少量は入り込んだウイルスにたいしても十分な防御機能を発揮できません。 出来るだけ、喉の部分を冷やさない様な格好が望ましいです。
5、換気をする
外の温度が低いのに、窓を開けると室温が下がります。なので室温を高くするという事と矛盾します。 しかし、例えばインフルエンザにかかった人が同居している、あるいは室内に入って来てしまった。 さらにそこでゲホゲホと咳をして立ち去って行った場合。 室内には大量のインフルエンザウイルスが舞い上がっている状態になっているはずです。 そのままその室内に居続ければ感染してしまいます。 しかし、そのとき、20秒でも30秒でも、窓を開けて換気をすると、ウイルスの量は減少して、だいぶ喉の調子は良くなります。 あまり長く開けっ放しにすると、室温が下がってしまいますのでよくありません。 おそらくそのぐらいの時間ですと、家具や床や壁が芯まで冷えませんので、窓を閉めるとまた比較的短時間で室温は戻ってくるでしょう。
6、アルコール消毒
感染した患者さんに直接アルコールを振りかけても消毒にはなりません。 ウイルスは細胞の中に居ますので・・・。 なのでアルコールを飲んだからといって、インフルエンザには勝てません。 アルコールで消毒する場所は、よく皆さんが触れる場所、例えば、ドアノブやテーブル、電話機、コンピューターのキーボード、リモコン、電気のスイッチ等でしょうか・・。 アルコールを含んだウエットティッシュで時々拭いてあげるとか、後は最近薬局等でも売っている、刷り込み式の速乾性アルコール(ローションが入っているやつが良いです)を使うのが良いでしょうね。 あまり手を洗いすぎて手が乾燥してしまっているのはあまり感染防御には良くないと思います。
7、手荒れを防ぐ
手の表面、特に指先にはいろいろな生体防御用の酵素が汗とともに分泌されていると言います。 皮膚は潤いが保たれている時には、そういった防御機能が高まりますが、乾燥して、ひび割れていたりするとそういった機能は低下するのでは無いかなーと思っています。 仕事柄消毒のためにアルコールを頻繁に使うわけなのですが、結構指先がアルコールで脱脂されて、乾燥して荒れてきます。 なのでよくハンドクリームを使っています。
8、のど飴、紅茶等
ハッカ等の入ったすーっとする飴ではなく、普通の飴等でも良いと思います。 とにかく唾液が出る事で、口の中の菌量はぐっと減ると言われています。 ならば、ウイルスも同じなのではないかなー、と密かに思っています。 紅茶も良いですよね。 やはり主に口の中に存在しているウイルス量を減らすという事が重要なのかなと思います。 飲み込んで胃まで落ちれば、強い胃酸が待っていますので・・。
私も、毎日インフルエンザの患者さんを拝見している訳で、いつ感染してもおかしくないはずなのですが (というか普通一番に感染するはずなのですが・・・。)、なんとか耐え忍んでいます(内心ドキドキしながらですが)。 私も人ですので、感染する訳です。 なので、今はマスクしながら診察しています。 最後の方はほとんど独断と偏見でしょうけれど・・・。
ワクチンを打ったからといって、安心しないで出来るだけ、感染防御に勤めていてください。 受験生の皆様は特にこれからが勝負のときです。 風邪等ひかない様がんばってくださいね。