日本不整脈心電学会に参加してきました。

2018-07-14 09.55.32
7月ももう半ばすぎ、すでに夏真っ盛りといった感じですね。 先週末、不整脈の大きな学会が東京フォーラムで開催されて、私はそれに参加してきました。 私が大学をやめてから7年経過しています。 やはり時々きちんと勉強しないと、いつまでも時代遅れの診療と続けていてもまずいですので。
今回も診療の合間の参加になりますので、全日程参加することはできませんでした。 日常の診療で疑問に思っている分野の演題に参加してきました。 今回参加したセッションは、「失神」についてのセッションでした。 失神あるいは、意識が遠のく感じがする、といった症状で私のクリニックにいらっしゃる患者さんもいらっしゃいます。 失神の診断、実は結構難しく、何時も決まった条件で起こる訳ではないので、ほとんどはきちんとした確定診断は出来ず。その症状のあった状況をお聞きして、その病態を推測することになります。 うまくいけば、失神につながる心電図が取れたりする場合もありますが、その失神の原因が心臓かどうか確実に診断するためには、失神した際に心電図を取る以外方法がないのですね。 一ヶ月に一回ぐらい、4年に一回ぐらいといった頻度の場合、その確定診断は結構難しいですね。 しかし、だいたいの状況が分かると、対処のしかたもあるのも本当で、なのでよろしければ専門の医師に御相談いただけましたら幸いです。
今回私が参加したセッションでは、ヘッドアップチルトテストという、結構大掛かりな検査の意味合いについて、よく整理されていて、大変勉強になりました。 私が大学にいた頃は、再現性が少なくあまり決め手にかける斜陽の検査だな、という印象でしたが、失神患者さんのその後の予後を知るために、結構大事な検査なんだなと、少し考えを改めたところです。 あと新しい検査機器の紹介があり、今度こちらのクリニックでも導入できないか、少し検討してみようと思っています。
では暑さに負けずにこの夏を無事乗り切れることを祈っております。

日本不整脈心電学会に参加してきました。

日本不整脈心電学会に参加してきました。 今回は北海道・札幌でした。 ちなみに私ごとですが、北海道に行くのは初めてでした。 診療の関係もあって、今回は最終日の日曜日の半日だけの参加でした。
北海道日帰りなので、思いっきり早い時間帯の飛行機をとったのですが、気がついたら、自宅から始発に乗っても到着しないことに気づきました・・・(汗)。
札幌コンベンションセンター
新千歳空港から札幌まで、1時間近く電車でかかるのには少々びっくりしましたが、グーグル・マップ先生のおかげでなんとか無事にコンベンションセンターに到着、はじめの方少し聴き逃しましたが、シンポジウムに参加してきました。
一つ目のセッションは、私が大学をやめてから市場に出てきた「心房細動のバルーンカテーテルでのアブレーション」でした。 性能や安全性がどうなのか気になっていたのですが、どうやら今まで慶應で見てきた心房細動の従来通りの高周波カテーテルでのアブレーションと時間も安全性もほとんど変わらない様でした。 すべての心房細動のアブレーションがこのバルーンに置き換わるのかなと思っていましたが、それはちょっと違いそうですね。 ただ、現場で自分の目で見たわけではないのでちょっと判断は迷います。 
もう一つのシンポジウムは「無症状の発作性心房細動の患者さんに脳梗塞の治療をすべきかどうか、もう少し心拍数の遅い心房頻拍等の患者はどうするのか」といった話題でした。 無症状なのに発作性の心房細動を診断するのは、ちょっと矛盾しているのですが、(症状が無患者さんに心電図を取らないと、心房細動が見つかりませんので)、とある理由で、植込み型のペースメーカーや心電図記録装置を入れておられる患者さんの発作性心房細動と脳梗塞の発生の関係を研究された先生がいらして、その方のお話を聞いてきました。  本当はこの無症状の心房細動や心房頻拍を見つけるのが難しいのです。 例えば年に3回ほど心房頻拍が6分以上続くけれども、自覚症状が無い患者さんがいたとして、その方が偶然心電図をとって、心房細動が見つかるかというと、そういう確率は約0.001%程度です。 それでもその心房細動が原因で、脳梗塞になる可能性があるということだそうです。 特に心房細動患者さんの脳梗塞になりやすさを判定する、CHADSスコアーの点数が高い患者さんは、心房細動がなくても、そういったことがもしもあれば、脳梗塞を心配したほうが良いということらしいです。 こうなってくると、心房細動があろうがなかろうが、ある程度高齢の患者さんで、CHADSsスコアーが高ければ全員、抗凝固療法をしておいたほうが良いのでは無いかという考え方に到達してしまいそうですね・・。 抗凝固療法も100%安全な治療法ではありませんので、 それはやり過ぎだと思いますが・・。 でももう少し効率よくそういった患者さんを検出する方法が見つかれば、そういう時代になるかもしれませんね。 例えば、アップルウオッチ等の心拍モニター等をつかって、 毎日心拍のモニターをしているとそいういったことが簡単に検出できるようになるかもしれませんし。 脈の間隔は結構呼吸や活動等で変化しますので、どれを異常心拍として検出するのかは結構難しいアルゴリズムを作らないと行けないでしょうが・・。 おっと、患者さんの読むホームページにちょっと難しすぎること書いちゃいましたね・・。 学問の話題はこの辺で。 

学会場で、懐かしい顔に出会った後(皆さん頑張ってますねー。)、学会場を後にしてまた新千歳空港に戻りました。 札幌の街は、雪国のせいか道幅が広いですね・・。 東京に慣れてしまうと、少しさびしい感じがしますが、雪をうまくやり過ごすにはああする以外無いのでしょうね・・。 以前私は、北アメリカのカナダに近い北の州に留学していたのですが、その町並みを思い出しました。 一度冬に行ってみたい気もしますが、雪で飛行機が飛ばなかったりして診療に穴を開けるわけに行きませんので、引退してからですかね。  空港までの路線は電車は函館まで続いているようで、函館を地図で見ると、結構広いですね・・。 札幌と函館だけで広いと言っているぐらいですから、北海道全体で見ると本当に大きな島なんですね・・。 

ただ日帰りで行って帰ってくるのはちょっと疲れましたね。 もうちょっと近いとこがいいですね。 

内科学会に参加してきました

今年の内科学会は有楽町東京フォーラムでした。 日曜日半日ほど参加してきました。 東京フォーラムA棟の最も大きなホールで、結構いっぱいはいってましたね。 皆さん内科のお医者さんなんだなと思うとなんだか不思議な気分です。 私の前に座った方は・・、競馬の新聞読んでましたね・・。 参加される大部分の先生方が、内科専門医、あるいは内科認定医の単位習得のために参加され、勉強と言うよりは認定更新のための単位を取るためなのでしょうね。 私もモチベーションも似たようなもので、参加するならちょっと話だけでも聞いておこうかなと思う程度です。 学会に来て競馬新聞読んでいる先生とあまり変わりは無いでしょうね・・。 今回はエピジェネティクスという題のシンポジウムだったのですが、ちょっと基礎研究的な話が多く、どちらかと言うと、医科学の進歩のお話だったです。 内容は結構面白かったです。 血糖値をコントロールするために、内臓がお互い自律神経を介して綿密な働きをしているといったお話や、アディポネクチンといって、コレステロール代謝に重要な働きをする因子の話等を拝聴してきました。 私はアディポネクチン少ないので、はやくそういった薬が出てくると良いなと思いながら、話を聞いていました。
アディポネクチンと言うのは、脂肪細胞から分泌される分子で、慶應の職員健康診断で研究目的で測定されていたので、自分のアディポネクチンが低いのは知っていたのですが、これが低いと悪玉コレステロールが高く、善玉コレステロールが低くなるのです。 残念ながら、保険でできる採血項目ではないので、来院されても当院では測定できませんのであしからず。 
じゃあ太っている人は脂肪細胞も大きく、アディポネクチンが分泌されて有利なのではないかと思われがちですが、脂肪細胞が脂肪を蓄えすぎて大きく膨れ上がってしまうと分泌されなくなってしまうようです。 つまり太っているとアディポネクチンは低下して、悪玉コレステロールは上がってしまいます。 要するに少し痩せなさいということらしいですね。 
三好クリニック(内科)
〜青山・表参道〜