三好クリニック 青山・表参道

内科・循環器・高血圧・不整脈

診察室で血圧を下げる方法

自宅で血圧を測るとそんなに高くないのに、病院で計ると高くて困っている方いらっしゃいませんか?  「血圧計が壊れているんじゃないか」と相談を受けることもあります。 血圧は秒単位で、ちょっとしたきっかけで上下します。 これは随時血圧とでも言った方がよいでしょうか? 生活の中で血圧は高くなったり低くなったりしているのですね。 一方で我々医者が見たいのは、安静時血圧です。 これは、安静時の最もリラックスしたときの血圧です。 診察室での血圧はあまり安静時とは言えないことが多いです、あくまでも補助でしかありません。 三好クリニックでは、診察室で血圧が高い状態が続く患者さんには、自宅で血圧を測ってその記録を見せてもらう事にしています。 その血圧は自己申告ですので、「血圧の薬を飲みたくないばっかりに、血圧を低めに記載しているのでは無いか」と疑ったりする先生もいらして、医者自身が計った血圧しか信用しないというドクターもいらっしゃるでしょうね。 そういった先生は、患者さんの命を守りたいという責任感の強い良い先生なんだろうと思います。 しかし結局の所薬を飲むか飲まないかは、最後は患者さんが判断されるところなので、どんなに薬をきちんと処方しても、最終的に薬飲んでいただけなかったりする事もあるので、私はきちんと申告していただいている物と言う前提で治療しています。 また、緊張等の要素が原因で血圧が上がる場合、ある特徴的な血圧のパターンになりますし、血圧があまりに高い状態を放置していると心電図や採血のデータに変化が出てきますので、隠しておられても大体医者の方は解っていることが多いです。

ただ医者がわかっていると言っても、自宅で血圧がそれなりに良い血圧なのに、診察室では高く測定されてしまう患者さんは、なんとなく、嘘ついてるみたいな感じになってしまって、不愉快になってしまったり、病院の血圧計がおかしいのではないかと疑う患者さんもいらっしゃるでしょうね。 そこで今回はそういった患者さんのために、診察室で、いつもの安静時の血圧に近い値になる方法を少しお話してみます。

自宅での血圧の測定方法が間違っている人


飲酒後や、サウナにはいった後、運動して汗掻いた後、入浴後など、汗掻いたり、血管拡張作用のあるアルコールなどの内服で、一時的に血圧が下がることがあります。 そういった状態の血圧は残念ながら安静時の血圧とはちょっと言えないです。 そのような状態では計らない方が良いです。 

人前に出ると緊張してしまう。あがり症の方


人前に出るとすぐに緊張してしまう方いらっしゃいますね。 血圧測定時にそういう方に「リラックスしてくださいね」と申し上げても、そんなに簡単にリラックスする事なんて出来ませんよね。 自分では緊張していないつもりでも、自分の周りに人が存在するだけで、無意識に精神的な緊張がでますので、周囲に人がいる状態は、周りで人が動き回っている状態で血圧を測定すると、大概少し高めに測定されてしまいます。 診察室の中の環境がそういう場合、医者の方もある程度解っているので、あきらめた方が良いでしょう。 自宅での血圧をきちんと測定していって、ドクターに見せた方が良いと思います。 これはお手上げという事ですね。 あきらめると、気分が楽になって案外血圧が下がることもありますね(笑)。 

血圧測定時に喋ってしまったり、喋ろうと準備したりすると血圧は上がります。


血圧測定して、血圧が高いと「今歩いてきたからねですかね〜」とか、「おかしーなー、朝は低かったんだけどなー」といった、事をいろいろおっしゃる患者さんいらっしゃいますね。 実は、喋ろうと心の中で準備するだけで、少し血圧は上がります。 そして実際に喋ってしまうと、結構簡単に40~50ぐらい血圧が上昇してしまいます。 これは安静時血圧とは言えなかったりします。 なので言い訳は逆効果なので、血圧測定が終わってからされた方が良いです。 血圧計巻いている間とかに喋るのも、その後に余韻が残りますので血圧高くなります。 

活動の余韻が血圧を上げてしまいます。


歩いたり、喋ったり、していると皆さんの血圧は 160とか200ぐらい簡単に上昇してゆきます。 活動するために筋肉に血液を十分量送り出す必要があるからで、正常の反応です。 一旦上がった血圧は、体を休めると、時間経過に従って低下してきます。 大学病院で患者さんに運動負荷をかけていたときの事を思い返してみると、若い健康的な患者さんで5分ぐらい、運動不足気味で高血圧で通っておられる様な患者さんだと30分ぐらいでしょうか? そしてその落ちつくまでの時間は患者さんによって異なります。 
運動後の血圧の推移
日頃から毎日の様に運動しているアスリートの様な人だと運動停止後3分ぐらいで安静時の血圧になっていた気がします。 こういう運動を日頃からしていて、体が運動になれている方をフィットネスが高いと言います。 そのことを考えると、待合室から呼ばれて、診察室に入るという行動や、挨拶したり、お話したりする行動、あと、血圧測定のために、服を脱いだり、袖をまくり上げたりする行動自体が診察室での血圧を上げる結果につながります。  なのでこの余韻の時間を短縮するためには、日頃から運動を心がけ、フィットネスを高くしておくと良いのです。 またそれ以外にも、待合室で待っている時間帯に十分安静を保ち、診察室へ呼ばれた後も、あまり慌てて入ったりしないというのが良いですし、 診察室の中に入ってから、袖をまくり上げたり、セーターを脱いだりとか、血圧測定直前にあまり行動をしない方が安静時の血圧に近い状態になります。 本当は診察室に入って、喋らず、だらんと弛緩した状態で、30分経過してから血圧計のスタートボタンを押のが理想的ですが、それは患者さんも医者もちょっと耐えられないでしょうね。 何せ無言ですから・・。 体重が重いと、診察室への移動にも多くのエネルギーが必要となり、血圧が上がってしまうので、体重を低く保っておくというのも良いでしょう(もちろん、体重が低くなるとそれだけで安静時の血圧も下がりますけどね)。 待合室で、待ちすぎて、頭に血が上っている状態もあまり良くないですかね・・。 こういった理由もあり、私自身はやはり自宅での安静時の血圧を重視してます。

腕が太すぎたり、筋肉質過ぎて、筋肉が盛り上がっているとうまくはかれなくなることがあります。


脂肪で二の腕が太すぎたりするとうまく測定出来ないことがあります。 その場合、手首で血圧測定をすることになりますね。 実は皆さん意外に思われるかもしれませんが、二の腕の血圧の方が手首の血圧より低いです。 でも太すぎてはかれなければどうしようも無いので、手首ではからせてください。 後で示しますが、血圧計によっては、腕に巻く部分が堅くて、巻きやすい血圧計がありますが、それらは、測定部分のでこぼこに弱いです。 
堅い血圧計と柔らかい血圧計

たとえば肘が曲がっていて、力こぶが出来ていたり、鍛えていて、二の腕の背面の筋肉が盛り上がってしまう人や、十分袖がまくり上げられなくて、服などで凸凹が出来ちゃう人だとうまくはかれないことが多いです。 腕との設置面積が小さいと具体的に言うと少し高く測定されてしまいます。 自宅で測定されるとき、良ければ手首で測定していただいたり、どうしても二の腕が良ければ腕を通す形の血圧計の方が良いでしょう。 
図解、密着していた方が血圧がきちんと測れる
時々、血圧計の説明に、マンシェットを心臓と同じ位置に合わせてはかるべきだと記載されていることがありますが、動物の体は、血管の太さを自在に変えることによって、心臓より低い位置の足や、心臓より高い位置の頭などでも、血圧の値はほぼ同じにコントロールされています(例外はあります)。 なので、無理に窮屈な姿勢で血圧を測ったり、肘を曲げて筋肉に力が入っていたりすると、その分血圧も上がりますので、とにかく脱力しておくことのほうが大事だと思います。

肘は伸ばしていた方が良いです


肘が曲がっていると、力こぶが出来たり、血管との距離が遠くなり、うまく血圧が測定出来なかったり、血圧が高めに測定されたりする場合があります。 肘が伸びた状態にするために、肘の下に枕の様な物を入れると良いでしょう。 

座っている姿勢は、背もたれに体重を預けて、足を前に投げ出す様な感じのほうが良いです


勉強や仕事で集中するとき、膝から下の足を椅子の下に畳んで入れて、座席に浅く腰掛けて、背筋をピントたてて座ると、集中できます。 我々の世代だと小学校で、この姿勢をするように、指導受けました。 今は無いんでしょうねそういう指導。 背筋が曲がっていると、背中に定規を入れられたりしましたね。 もう40年も前の事ですから・・・。 足を折りたたみ、ふくらはぎの筋肉に力が入っていると、足からの静脈血液の戻りが良く、血圧が上がります。 なので、その逆をすると、血圧は安静時の血圧に近くなります。 
血圧測定時の姿勢

深呼吸はあんまり血圧を下げません


良くリラックスするために、すごくりきんで深呼吸されておられるかたいらっしゃるのですが、深呼吸しながら血圧を測ると、呼吸筋に力が入っていて血圧が逆に上がってしまうと思います。 深呼吸は、意識をリフレッシュするという意味合いでは良いですが、深呼吸自体が体の筋肉の運動になるので、やり過ぎないことですね。  一回大きくため息を吐くぐらいで丁度良いと想います。

薄い服ならば腕まくりしない方が良いです


診察していると、血圧測定しましょうかと申し上げると、シャツやセーターを脱がなくて良いように、一生懸命着ぶくれした服を持ち上げてはかろうとする人がいます。 僕自身は編み込みのセータとか、ダウンジャケット、皮の固いジャケットで無い限り脱がないで測定してもらっています。 古い血圧計だと、確かにマンシェット(腕の輪っか)の部分にマイクがついていて、それで聴診をしながら血圧を測定している機械がありましたが、今は、ほとんどが、センサーが本体側に内蔵されていて、少し服が間に入っていても、腕とマンシェット全体が接触している方がきちんと測定出来ます。 上の図の様に、腕まくりしたために肝心のところが分厚くなったり、傾いてしまったりするとうまく計れませんし、ズリあげようとする動作自体が血圧を上げてしまうので、むしろやってもらいたくないと思ってます。 またせっかくズリあげても、露出したスペースが狭すぎて、マンシェットが肘の関節などに乗っかってしまうと、うまく測定出来ないです。 もちろん、これは医者によって意見が分かれるところだと思うので、その通院されているお医者さんの指示に従った方が良いと思います。 


どうですか? 私自身は、足を前に投げ出す感じが下がるような気がします。 ふくらはぎの筋肉の緊張がとれるのが良いのかなと・・。

血圧を120mmHg以下にするべき?

P1320606 のコピー
11月中旬ごろに、2−3名の患者さんから、「高血圧の治療基準がまた下がるのですか?」とお話しを聞かれたことがありました。 どうやら今年の11月に米国心臓病学会での講演の内容の速報をテレビでやっていたようで、その内容を受けてのことのようです。 
この報告はSPRINT試験という名前で、すでに著名な学会誌に論文が同時に掲載されています。 原文を読んで思ったのは、すぐに日本の高血圧治療のガイドラインが変わるというわけではないなということでした。 おそらくこれを導入するためには、コレステロールの治療ガイドラインが変わらないと導入できません。 このホームページは患者さん向けのページなので、詳しいことはお話ししませんが、この治療に当てはまる方は、心臓病になる可能性がかなり高い患者さんだけに当てはまるものです。 大部分の患者さんは今まで通り、血圧上が140以下、下が90以下に、あるいは糖尿病や心臓病を持っている患者さんですと上が130以下で下が80以下にするというのが重要のようです。
ただこの試験結果を元に、次のガイドライン改訂では、高い心臓病のリスクを持った患者さんはにかぎっては、血圧を120以下にしたほうがよいというように変わってくるだろうと思います。
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高血圧治療のページを変更しました

高血圧のページを新しい、日本高血圧学会のガイドライン2014年度版にそって変更いたしました。 こちらからどうぞ

日本循環器学会に参加してきました。

今年は東京国際フォーラムで開催されました。  年一回開催されるこういった学会に参加する事で、5年や10年ごとに訪れる専門医更新に必要な点数を得る事が出来る様な仕組みになっています。 日進月歩の医学の専門知識を得る事が出来る貴重な機会でもあるので、出来るだけ参加する様にしています。
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JCS-2014s
日間にわたって24の会場で同時に別々のセッションが行われるので、全部の講演を聞くのは難しく、参加出来るのはほんの一部でしかありません。 大学にいる頃は、主に自分が携わっている分野や、自身の研究グループの発表等にサポートメンバーとして参加する事がほとんどで、自分の専門外のセッションに参加出来る様な雰囲気ではなかなか無かったです。  今年、血圧の指摘目標値がだいぶ変更になるという事もあり、 血圧のシンポジウムに参加してきました。  血圧をどのぐらいまで下げれば良いのかという事を考えるためのセッションです。  こんなセッションなかなか大学にいる時は参加出来ませんでした。
2009年に高血圧学会のガイドラインが変更になり、それまでの高血圧治療のガイドライン血圧の目標値を少しだけ下方修正した事と、 糖尿病・心臓疾患・腎機能障害などの合併症を持った患者さんの目標血圧値をさらに下げた事を、高齢者で放置されていた高い血圧に関しても血圧のコントロールを厳密にしたほうがやはり成績が良かった事から、下方修正したことが大きな特徴でした。 今回の2014年の改訂では、どうやらほんの少しだけ上方修正する様です。 また4月になったら公表されるようなので、その際に解説してみます。
最近いろいろな降圧薬の会社の臨床試験で問題が生じて、薬に対する不信感をお持ちの方も多いかもしれません。  人によっては、薬屋さんの利益のために薬を飲まされているのではと考えておられる方もおられる様ですが・・・。  やはり患者さんを見ていた経験と、論文で発表される、高血圧治療の臨床研究のデーターを見ると、もしも自分の血圧が高ければやっぱり飲みますね、薬・・。  医者の目からみて血圧が高くてよい事なんて一つもないですから・・・・。