三好クリニック 青山・表参道

内科・循環器・高血圧・不整脈

医療資材不足

緊急事態宣言が出てから、新規コロナ感染患者さんの数もすこし下降傾向ですね。 あと3週間ぐらいでもう少し下がってくれると良いですね。 2009年にブタ型のインフルエンザの感染が問題となった時期がありましたが、当時も大学病院に供給されるマスクが足りなくて大変でした。 紫外線に当てて使い回せとか・・、N95マスクとかほとんど病院内でも実物を見たこともないマスクの着用を義務づけたりとか、とても理不尽な指示が飛び交っていた事を記憶してます。
今回のマスク不足騒ぎや、感染症治療用の機材不足は、安価な消耗品の多くを中国に頼りすぎていた実情を実感させられました。 それだけではなく、今回2009年の資材不足の経験が全く活されてなかったことがとても残念です。 平時に必要な医療資材を備蓄しておいたり、有事の際に即座に物流を統制するシステムをあらかじめ作っていなかった事は痛恨です。 初動さえきちんと出来ていたら今回の様な混乱は無かったのではないかと思えます。 そういった2009年当時の政治批判はさておいて、2020年の政治家にはその点期待しています。 
最近ニュースで南京のコロナ対策がとても素早かったと、現地の日本人のレポートを読みました。 (https://creators.yahoo.co.jp/takeuchiryo/0200060330) 南京は過去のSARSによる打撃の教訓をきちんと活かしたのでしょうね。鉄は熱いうちに打てといいますので、今回こそは日本もこの経験を今後に活かしてもらいたいなと思います。

緊急事態宣言について

2020-04-10 08.48.39コロナウイルスに対する緊急事態宣言出ましたね。我々のクリニックのある表参道青山通りも普通に行き交う人が1〜2割ぐらいになって今は閑散としてますね。 
三好クリニックは医療機関なので通常通り外来してますが、コロナの診察は我々の様な個人のクリニックでは不可能ですのでお断りしてます。マスクやガーゼ、感染防御のためのシングルユースのガウンなどの流通が医療機関でも十分に供給されてこないのです。 申し訳ありませんが、軽症なら自宅待機で、重症なら最寄りの保健所の指示を仰いで受け入れ病院を探してもらうしかないでしょう。 特に呼吸が苦しい状況は危険で、その場合は自分で探さず救急要請された方が良いでしょう。
三好クリニックは通常通り開院してますが、多くの予約患者さんがキャンセルされて行かれます。あまり重症でなかったり状況が落ち着いている患者さんはそれでよいと思います。 また落ち着いたら来院ください。
ここからは私の私見です。
去年の12月にコロナウイルスが潜伏期に他への感染を引き起こすことが発表された段階で、専門家は隔離による完全なウイルスの押さえ込みは不可能と考えていると思います。 外国に行くと解ると思いますが、花粉症の時期にマスクをしている国民は日本人ぐらいなものでした。 日本人は雨が降ったら傘をさしますし、挨拶で安易にキスしたりハグしたりしません。 また今年の日本は暖冬でしたので、そういった要素もあって今まで日本は世界に比べてあまり感染者や重傷者が出なかったのだと思います。 おそらくは緯度の高くて気温の低く乾燥しているニューヨークやイタリアとは大分状況は異なると思います。  ただ、皆さんが同時期に感染してしまうと、それを支える医療機関や医療従事者が対応出来なくなる事になるため、今は基本的に生活に必要な活動だけに制限してもらった方が良いでしょう。 コロナウイルスは基本的に風邪のウイルスですので、風邪の基本的な治療、1)体を冷やさない、体温を下げない事と 2)体の安静のみが特効薬となります。しばらく自宅待機の方が多くなると思いますが、是非皆さんご自愛下さい。
当院への通院はもちろん可能ですが、患者さんが同時期に受け付けスペースに固まらないように予約時間を設けております。 申し訳ありませんが予約外での受診はこの時節ですのでご遠慮下さい。 皆様のご協力をお願いいたします。

人の寿命

久しぶりの原稿ですね。 随分サボっていたみたいです。 医者の生活をしていると、人の生き死にを間近で見る事になります。 なので人の寿命について考える機会はとても多いです。 患者さんと寿命の話になると「80歳ぐらいまで生きられれば良い」「90までは生きたくない」と言う方が多いです。 今の日本の平均寿命が80歳前後だからでしょうか? 今自分たちのまわりにいる高齢者の年齢を見てそのようにおっしゃられるのかもしれません。 長生きすると近しい人が先に死んでしまって、孤独になってしまうからかもしれませんね。 
でも私は考えてしまうのです。もしも人間が200歳や300歳まで生きられるとしたら、皆さん同じように思うのでしょうか? 80歳になって病気で死にかけているときに、まわりの人達は90歳や100歳になっても、普通に若々しく生活していたら、悔しいんじゃないでしょうか? そうやって考え直してみると、現時点での常識で人間の寿命を考えて、80ぐらいという寿命を想像しているのだと思います。
そして良く現場で遭遇するのは、それまで「80歳ぐらいで死にたい」とおっしゃられていた患者さんが、80歳になったときに、今死にたいですかと聞くと「それは今じゃない」とおっしゃる事が多いです。 死という物は避けられない物でいつかは来る物だけど、それは今じゃないというのが患者さんの本音なのでしょうね。 ちょっと厳しい言い方をすると、未来への想像力不足なのだと思います。

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世紀の初頭に、抗生物質や感染症の治療が可能となり、人類の寿命は極端に長くなったと言われています。 こういった治療は当時大発見だったのでしょうね。 しかしその寿命が長くなったことが誰もが実感するのは、その発見のしばらくしてからになります。 実は、抗生物質の発見の後に、20世紀の後半に人類はとても重大な3つの治療薬の開発に成功しています。 高血圧治療・高コレステロール治療・そして血栓塞栓の治療です。 1970年代に入るまで、そういった治療薬は今では考えられないぐらい粗悪で、とても治療目標を達成出来ない物でした。 それに治療目標の科学的データーもなく、極めて非科学的な根拠で決められていました。その目標までコントロール出来るほどの良い薬が無かったこともその理由の一つだったでしょう。 高コレステロール治療も実用的な薬が出るのが2000年直前、抗血栓塞栓も2010年頃になってからです。 こういった治療が出来る様になって、医者の目から見ても、それ以前とそれ以後で患者さんの見た目年齢は大分若くなった気がします。 そしておそらくその結果を寿命として我々が実感するのは、おそらく40-50年後ぐらいになるのではないかと思います。 そういった治療法の恩恵は遅れてやってくるのです。 
おそらく今行われている標準的な治療が正しく5060台の患者さんに行われるようになると、ほとんどの患者さんは、癌や遺伝子の病気で無い限り100まで生きるだろうと言われています。3040年後には今の寿命の常識は全く変わっているでしょう。 しかし、医療の現場を見ていない患者さんにはなかなか実感出来ない事なのだと思います。 我々医者はその患者さんの想像力を補う形で、10年後20年後の患者さんの代弁者として、皆さんに治療のお話をしています。 是非医者の声を、未来からの自分の声だと思って耳を傾けてみて下さい。 現在みなさまと同年台の人達は80歳になっても今想像するよりずっと若々しく活動していると思います。現時点での常識で80歳で人生諦める必要は無いでしょう。 繰り返しになりますがそれには医者が勧める標準的な治療法を守っていなければ、今の医療水準の恩恵を受けることは出来ないです。