クリスマスリース

開院が2年前の11月だったので、たくさんお花を頂きました。 どうもありがとうございます。 今日、身内から、クリスマスリースを頂きました。 造花の物は以前飾っていましたが、生は今回初めてで、エントランスホールに飾っておきます。 木の香りがして、ちょっと贅沢な気分です・・。 
少し知ったかぶりをしてしまいましたが、クリスマスリースという言葉、今日初めて知りました。 田舎もんですいません。
ちなみに今日、三好クリニックのウエブのカウンターが10万を越えました。 最近、アクセス数が増えていて、ちょっとびっくりです。 どうもご来場ありがとうございました。 ほとんどはメーカーの方のおつきあいだと思いますが、それでもなんだかうれしいです。 もう後2週間ちょっとで、今年も終わりです。 皆さん良いお年を。
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ライトアップ

そろそろクリスマスシーズンで、今年は表参道もライトアップされていてとても奇麗です。そのためか、忘年会の酔っぱらった方々も去年より多いような気がします・・。
三好クリニックは青山通りに面しているので、直接は見えませんが、帰りに表参道の交差点ぐらいまで歩かれると良いかもしれません。 少し最近寒いですが。
三好クリニックの前には、スパイラルがあって、良くアート作品を置いていたりしますが、今日の朝、白いクリスマスツリーが運び込まれてライトアップが始まりました。 なんだか奇麗です。
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年の瀬

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ポインセチアの葉がかなり赤くなってきたので、ポチッと写真をアップしてみます。 去年患者さんに頂いた物で、春には茎一本になっていたのが、ぐんぐん増えて、一時はかなり大きな株になっていたのですが、枝があまり大きく重くなりすぎて、遮光のための段ボールをかぶせる時に、枝が一本折れ、二本折れして、2週間程前に、真横に伸びていた大きな枝(ほとんど株全体の2/3ぐらいあったものが・・・)、がぽきっと折れて、だいぶコンパクトに・・。 というか寂しくなってしまいました。 色は奇麗ですが。 とっても残念です。
もうそろそろ受付に出してみようかなと思っています。

今年もあっという間でした。 まだ1ヶ月ありますが、今月は特に一瞬で終わったような気がします。 最近、風邪の患者さんや、インフルエンザのワクチンの集団接種の方がいらっしゃったりした関係でかなり忙しかったこともあるのでしょうね。 予約でいらした患者さんも、外来でだいぶお待ちになったのではないでしょうか? 来年2月頃から、ようやく、午前中だけ看護師さんをもう一人増やせそうなので、待ち時間ももう少し解消されるのではないかなと思っています。

12月になると忘年会のシーズンですね。 私も、まだ慶應で継続している仕事の関係で、慶應関連の忘年会に何件か誘われていて、肝臓と体力が心配です。 皆様も、寒くなって来ましたので、風邪等ひかないよう気を付けてお過ごし下さい。 ノロウイルスもはやっている様です。 マスク・手洗い結構大事だと思います。

私も10月頃から通勤時と診察時にマスクをし始めています。 昨日かえりにふと思いました・・。 一年のうち半分マスクしてるんだなと・・。 そうやって考えると、マスクはもう自分の一部になってしまっているのではないかとも思ったり・・。 すごいですねマスクって・・(笑)。 

もうすぐ2周年

来週末で、三好クリニックは2周年になります。 2周年といっても、何かイベントがある訳ではないのですが、2年間なんとか無事にやって来れた様です。 これも通院下さる患者さんがいらっしゃるからだと感謝しています。 この場を借りて御礼申し上げます。
患者様もだいぶ増えて来て、先週・今週とお待たせする事が多くなって来ました。 大学病院で患者さんを待たせるのがいやで、大学をやめたのに、またこちらで待たせてしまっては、何をやっているのかわからないですが・・。

患者さんの多い日の特徴は、どうやら月の前半が予約が多いような気がします。 また祝日等の連休開けは、予約外の患者さんが多くて、結構混みいってしまう傾向があるような気がします。 また時間がかかる検査などがあると、その間に予約無しでいらっしゃられた患者さんは20分とか30分とかお待たせしてしまう事になります。 流石に1時間以上お待たせする事は無い様ですが、不整脈の治療は患者様の自覚症状をきちんと聞かなくてはなかなかうまく診断が出来ないので、自然とお話に時間がかかってしまう傾向があります。 ですので来院される前に是非前もってご一報いただければ幸いです。 最近、時々ですが、不整脈発作や狭心症発作等で突然来院される方もおられて、急を要する対応のため、少々順番が入れ替わったりする事が出て来始めました。
近いうちにスタッフをもう一名増やして、検査待ちや採血待ちの時間をもう少し縮めて、患者様の診察が手際よくできる様に考えています。

去年暮れに患者様に頂いたポインセチアの葉が、一年経ってまた赤くなり始めました。 もう少ししたら、受付に飾ろうかと思っています。 一日14時間以上の完全遮光が必要なため、夜は段ボールに入れています。 休みの日に、光に当てるために出勤しなくてはならないのが面倒ですが、もう少ししたら全体が赤くなりそうです。 

今後とも、いっそう努力致しますので、三好クリニックをよろしくお願いいたします。

おかげさまで今年の臨床実習は終了です

慶應大学の臨床実習の学生さん。 今年はこれで終了となりました。 心電図を付けたり、外来で何名かの患者さんには聴診させて頂いたりいたしました。 どうもご協力ありがとうございました。

薬は日数分ちょうどが良いのか、余裕があった方が良いのか?

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中年になり、生活習慣病の薬を飲む様になりました。 患者さんに薬を出しておきながら言うのもなんですが、自分で飲むとこれが結構大変な事だなと実感します。 私の場合、一日1粒だけですからまあなんとかなりますが、これを一回10粒近くある薬を毎回、プチプチ包装から取り出して飲むのは結構大変だったりします。 大きい粒はのどにつかえて飲みにくいし、小さい薬は落としてしまいがちで怖いし。休み無く毎日となるとこれは結構めいりますね。

私はあまりきっちりした性格ではないので、万が一予約を忘れて受診しそびれても、手元に薬が数日間のこっている方が安心かなと思って処方してきました。 大学病院等での受診では決まった週に来院される方が多いため、1ヶ月おきの受診だと28日周期、2ヶ月だと56日周期というようになります。 しかし、薬の多くは10粒がまとまって1シートになっていることも多く、また計算が楽という事もあり、1ヶ月の方は30日、2ヶ月の方は60日で処方をしている事が多かったです。6週目に来院される方は42日(「しに」)、7週目に来院される方は49日(「しじゅうくろうする」)と語呂もあまり良くなく、それぞれ50日で処方すると言った具合ですね。 そうやって少し余分に薬を処方すると、一ヶ月おきで受診される患者さんは2日分、2ヶ月おきだと4日分薬が余るのです。この余った薬を、急に受診が出来なかった時のための予備と思ってずっと処方して来たのですが、最近自分で飲んでみてみてこのあまりの分が結構気になる事に気づきました。
実はきっちり日数分処方すると、
1、自分が薬の飲み忘れをしていると、薬が余ってくるのでその分の見忘れを自覚する事が出来る。 
2、薬が切れそうになってくると、あーそろそろ外来だなと自覚する事が出来る。

といった利点がある様です。  ただ医者側の感覚から言うと、うっかり受診を忘れたりした時のために、やはり少し余裕を持っていた方が良いのでは無いかな、と思う次第で、今まで通り、処方するつもりですが、ご希望の患者さんおられましたら、日数分きっちり処方してくださいとお伝えいただければと思います。 患者様のご希望にあわせますので。 日数分で処方するのもそれほど大変ではないのです。

心電学会へ参加して来ました

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今年の心電学会に参加して来ました。 どうも心電学会も日本不整脈学会も小さな学会の気分が抜けないためか、平日に学会をする傾向があって結構参加が難しく困ってます・・。 今回も青森でしかも、金曜日と土曜日開催だったので、金曜日の外来が終わってすぐに、新幹線で青森まで行って。 翌日参加して来ました。
不整脈治療のトレンドは、まだ大学にいた頃とあまり大きく変わってはいない様ですが、油断していると最新の治療法から取り残されてしまうので、やはり毎年参加して新しい情報を得ていきたいです。 
私事なのですが、青森に行くのは2回目で、青森市に行ったのは今回が初めてでした。 到着が深夜0時過ぎだったのと、翌日夕方には帰京したのでほとんど、観光というか何も出来なかったのですが、「全部のせ丼」というのを体験して来ました。 おいしかったです。 あと東北方面の新幹線に乗る機会はあまり無いのですが、東海道新幹線に乗る機会が多い人間にとって、東北や信越方面への新幹線のホームはどちらかというと狭く、さらに車両あたりの乗客数の多い、2階建て新幹線のマックスが入ってくると、ホーム待機の乗客数が多くで、かなり殺気だっていて・・。 ちょっと怖かったです。 いつも結構混んでますよね・・。

内蔵の痛み

医学生の頃は、人間はどうやって内蔵の痛みを感じているのだろうという事を不思議に思いました。 むしろ医学を勉強していない方にとって、あまりに身近すぎて不思議にも思わないかもしれませんね。 

皆さん、例えば尖った物を例えば右足で踏んづけると、右足の裏が痛いと見なくても感じますね。 運動神経の良い人だと、強く踏んづける前によけたりする人もいるかもしれません。 この様に痛みが発生した部分を理解し意識する事、これは動物が生きていく上でとても大切な本能です。  なぜなら痛みを意識しても、痛みの発生場所が分からなければ、結局衝突を避ける事が出来ず、いろいろなものに体をぶつけて、骨が折れたり化膿して死に至る場合もあるでしょう。 
神経には運動神経と感覚神経があります。 それらは最終的には大脳につながるのですが、ただバラバラに大脳とつながっているわけでは無く、 順序だてて、脊髄という脳からお尻に向かって伸びる比較的太い神経の束にまとめられてから脳に到達します。 脊髄は脊椎(背骨)の真後の空間にあるため、運動神経と感覚神経はこの脊椎の隙間を通って、ある程度まとまって脊髄に接続されています。 この一つ一つのまとまりを体節と言いますが、 一つの体節につながる運動神経と感覚神経はほぼ同一の体の部分に対応します。 恐らく、どの場所の感覚神経の刺激が体のどの部位に相当するのかという対比は、漠然とこの体節の場所で判断されているとも想像されますが、医学的には運動神経と感覚神経は、脊髄でも大脳でも全くはなれた場所に分布しているために、痛みの場所を感じているメカニズムはそれほど簡単な仕組みでは無い様です。 ただ難しい話しはおいておいて、動物は皮膚の痛みの場所をきちんと「意識」する事が出来ます。
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じゃあ内蔵の痛みはどうなのでしょうか? 
内蔵の痛みや感覚は、やはりこの体節と関係があるのではないかと言われています。 内蔵の感覚神経は、皮膚の表面についている感覚神経に比べて原始的な構造をしています。 そして同様に体節の分布に従って脊髄に接続されているため、体節の同じ部分の皮膚の感覚と混じりあい、混同するのではないかと言われています。 なので、ほぼ内蔵のある部位の真上の表面近くに感じるというわけです。 ただしこの場所の感覚は、大人の臓器の位置ではなく、神経系が出来上がる頃の胎児期になります。  
受精卵が赤ちゃんに成長する間に、人間はその進化の過程をなぞって成長していきます。 神経系が出来上がるのは、受精卵が丁度メダカの赤ちゃんの様な形をしている頃に原型が出来上がります。 ほとんどの臓器は成人になっても場所が大きく移動する事は有りませんが、心臓はとても大きく移動します。 心臓は元々「えら」の近くに作られる臓器です。 「えら」は動物が陸上で生活するようになるにしたがって消失して行きましたが、下顎骨から首あたりの存在するはずの臓器です。 陸上の生活では、肋骨で守られる方が衝撃から守られるという点で都合が良いという事で、胸の真ん中肋骨の内側あたりに進化の過程で移動するのですが、感覚神経だけは元々の心臓が出来た場所の体節を通って脊髄に入ります。  そのため心臓の痛みは左の頚部、胸部の上の方、左手の内側、左の奥歯にかけてその痛みが出現するのが典型的です。 しかし、多くの患者さんを拝見していると、頻度は少ないですがお腹や背中等に痛みが出る方もいらっしゃいます。  また、ご高齢の方や、糖尿病の患者さんは、内蔵の感覚神経が弱っているため、ほとんど痛みを感じない方もおられます。 
内蔵は外から触れられる臓器ではないのに、痛みがあったりその感覚の場所を理解し意識する事が出来る。 何のためにそのような機能が備わっているのか不思議ですが、医者にとっては、体の負担になる様な大きな検査をせずとも、病気に早く気付き、手遅れになる前に治療が出来る、とても役に立つ機能です。 

秋らしくなって来ました

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9月も始めの頃は、どうなる事かと思うぐらい暑かったですが、ようやく少し涼しくなって来ましたね。 去年は9月いっぱい、暑い日が続いていたので、それを考えると、少し涼しくなるのも早かったかもしれませんね。 夕方6時になると既に日が落ちて暗くなっていますし、こうやってどんどん冬になっていってしまうんですね。
急に涼しくなったせいか、少し風邪の患者さんが増えて来ています。 診察している私の方も、少し喉が痛いですね・・。 今の時期の風邪は、喉の痛みと、吐き気・下痢がある人がいらっしゃいます。 また頭痛ですかね・・。 流石にそろそろ布団も暖かい物にした方が良いかもしれませんね。
お体大切にしてください。

ちなみに、Aoビルの一階に、俺のイタリアン・俺のフレンチが出来る様です。 紀伊国屋の入り口に大きな看板が付きました。 僕は良く知らないのですが、結構おいしいらしいですね。 立食らしいのでご年配の方には厳しいかもしれませんが・・。 生コンクリートを入れたり、業務用の冷蔵庫を大量に運び込んでいたので、結構大掛かりな店になるんでしょうね。 

夏休みを終えて

夏休み皆さんいかがおすごしだったでしょうか? 
急に暑くなって来ましたね。昼間の暑さも辛いですが、夜の暑さはさらに厳しいですね。
三好クリニックも長期休暇を頂きまして、ご迷惑をおかけいたしました。 休暇のしわ寄せのせいで来週は結構混み合ってしまっています。  重ね重ねお詫びをいたします。
この季節になると、このクリニックの内装工事を行っていた時の事を思い出します。 そろそろ2年になりますね。 お休みの初日に、クリニックの床掃除とワックス掛けを行ったのですが、開院当初と比べると床もだいぶ汚れてしまっていますね。 あまりに熱かったので、クーラーを入れて閉め切った状態でワックスをかけたため、有機溶媒の中毒で2−3日頭が痛かったです・・。 やっぱりワックスかける時は、きちんと換気した方がよいですね・・。
さて、この暑さいつ頃まで続くんでしょうね・・。

腫瘍マーカー

人間の死因の1/4は癌だと言われています。 私の専門の心臓に癌が少ない事もあって、それほど多くの癌患者さんを拝見した訳では無いと思います。 しかし慶應の外来で拝見していた患者さんの中に、あるいはこちらのクリニックから慶應に紹介した患者さんの中にも(開院して2年経っていないのに)、癌の患者さんは少なからずおられます。 皆さんの周囲でも、よく話してみると「実は癌なんですよ」というかた、比較的多いのではないでしょうか? 癌はそれほど珍しい病気ではありません。 
癌で命を奪われる事は、患者さんやその家族にとってつらい別れであり、出来れば避けて通りたいものです。 患者さん本人にとって、癌で死んでしまう事が本当に悪い事なのかそれとも実は良い事なのか、誰も死んだ経験が無い生者の世界の我々が推しはかる事など出来ないのでしょうが、医師として生者の側の人間から言えば、癌は早く見つけて、手術で腫瘍のみを取り除いてあげたいと、ただただ思うのです。

しかし、小さな癌を見つけるのは結構大変です。 症状があれば、それなりに腰を入れて医者も患者さんも大変でも検査を行いますが、そうでないとなかなか大きな検査を行う事はしません。 例を挙げれば、内視鏡の検査や画像検査の様な大掛かりな検査は、患者さんに肉体的・精神的・金銭的にも負担を強いる事になります。 さらに念を押しておくと、頻度は少ないですが、検査であっても事故やアレルギー等によって死亡したり後遺症を残したりする危険性もあります。 その一方で、時々、とても珍しい癌で、若い20台ぐらいの患者さんが無くなられたりしてニュースになったりする事があります。 そのような頻度の少ない癌を見つけようとするならば、全員が生まれてからすぐに、胃カメラ・大腸鏡・レントゲン・CT検査やMRI検査・PET検査を毎年行えば良いはずです。 しかしよく考えてみてください、10歳の子供たちに、例えば「大腸鏡をしましょう」と言えば、患者さんは普通嫌がります。 その場ではいやがらなくても、患者さんは2度とそのクリニックにいらっしゃらないのではないでしょうか?  つまりここで皆さんに違和感があるのは、検査の大変さと、癌の可能性が釣り合っていないという点なのです。 

そんな大掛かりな検査をする前に、採血等もう少し負担の少ない検査で、陽性になった患者さんだけをさらに詳しい検査をする様になれば、大変な検査であっても患者さんが検査を受けるモチベーションが上がります。 皆さんは腫瘍マーカーという言葉を聞いた事があるかもしれません。 癌の中には、ある特殊な蛋白や物質を大量に分泌するものがあります。  癌の種類によってそれぞれいろいろな物質を分泌するので、結構いろいろな腫瘍マーカーがあります。 私のクリニックでも、時々、ある程度以上の年齢の方には定期的に、「腫瘍マーカーの検査をしますよ」と、採血のときにあらかじめお断りしてから検査をする事が多いです。 

ただし、腫瘍マーカを分泌しない癌が多いという事は、患者様にも理解していてほしい点です。 たとえ腫瘍マーカーが陰性であっても、癌で無いとは言えない。 具体的に言えば、腫瘍マーカーが陰性である事に安心して、つらい内視鏡の検査はやめましたというのが最も危険なストーリです。   最近、三重大学の先生方が、大腸癌をmiR-21というマイクロRNAを用いて鋭敏に検出出来るという事が
ニュースになっていました。  先ほど例に挙げた検査の中で、大腸鏡が最も患者さんへの負担が強い検査の様に思います。 比較的多くの患者さんが無くなられる大腸癌を、採血といった簡単な検査である程度、確認する事が出来る様になれば本当にすごい事だなと思います。 しかしまだ実用には至っていない様ですので、今のところは、精度は低いですが、腫瘍マーカーの検査や検便の検査を行い、それらの検査で疑わしければ大腸鏡をお願いする事になりそうです。

薬の副作用

副作用は全てのものにあります


病院を訪ねてくださる患者さんの多くは、どちらかというと薬の処方を希望して来院されていられる方が多い様です。 ただ薬に対する感覚は、「早く直るなら何でも良い」と言う方から、「少しでも知らない物を内服するのに抵抗がある」という方など、患者さんによって様々です。 実は、この2つの例は医者に取っては結構対応が難しいケースです。 前者は、薬の副作用について知らなすぎ、後者は副作用について恐がり過ぎなのです。 薬の副作用に付いては、全く知らなくても、知らずにただ怖がってしまうのも問題で、よく知り、そして知った上で内服していただく事が、安全に薬を飲んでいただくのに必要と思います。

あまり意識される事は少ないかもしれませんが、どんな薬も副作用があります。 同じ考え方で言えば、あらゆる口に含む食品や調味料、そして肌に直接接触するものに、副作用があるとも言えます。 
たとえば小麦を例に出してみましょう。小麦に対するアレルギーをお持ちの方は、口にされると喘息を起こしたり、アレルギーはなくとも、たくさん食べ続けてゆくと、肥満、糖尿病等になってしまいます。 これは本来望まれない作用、つまり副作用と言うわけです。 一方で小麦の中のでんぷんやミネラル、ビタミン等を摂取する事で、体を動かしたり活動したりするエネルギーを生み出す。これが主作用という事になります。 つまり、副作用というのは、薬を飲むからあると言うわけではなく、あらゆる口に含む物質に存在するという事です。 そして、厳密な意味で、薬と食品は同じではありませんが、薬には望ましい作用=「主作用」があるのと同時に、必ず望ましく無い作用「副作用」があります。 ですから医者の方は、副作用の出現頻度と重篤度と、主作用による利益を天秤にかけて、処方を行うこととなります。
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大きく分けて2種類の副作用があります


薬の副作用には大きく分けて、1、その本来の薬の成分の作用やそれから予想される副作用と 2、薬の本来の作用とは関係なく、患者さん側の要因で、例えばアレルギー反応などの過剰な反応によっておこる副作用があります。 後者は頻度も少ないですが、発生するかどうかあらかじめ予想出来ない点が大問題なのです。 薬を飲み始めた際、医者はいつもそばにいる事は出来ません。 通常副作用の始まりは患者さんがお一人のときに体験します。 なので副作用について患者さんがある程度の事を知っていただく必要があるのです。

薬の薬効から予想される副作用


例えば、血圧の薬が多すぎると、低血圧でふらふらしたり。 睡眠薬が強すぎると、朝起きられなかったり、午前中眠くて仕事にならなかったりするかもしれません。 薬によっては肝臓をいためたり、腎臓をいためたり、筋肉をいためたりする物があったり、咳が出やすくなったりする様な物もあります。 このように薬の効果や性質からある程度予想される副作用があります。 こういった副作用の特徴は、用量を増やすと強くなり、減らすと副作用が出にくくなる特徴があります。 こういった薬効からある程度予想する事が出来る副作用は、医師にとって予想がつけやすく、処方時にあらかじめ患者さんにお話している事が多いでしょう。 また慎重な医師であれば通常量の半分ほどの量からはじめて、副作用が出ないかどうか観察しながら増量する事でしょう。 そうする事で、患者さん自身が注意し、副作用がまだ軽症なうちに薬剤を自らの意志で中止する事が出来ます。 ですので、患者さんにとって、より切実な問題はそれ以外の薬剤の副作用の症状という事になります。

アレルギー反応によっておこる薬の副作用の特徴


アレルギー反応は、なんの前触れもなく突然おこる事があります。 例えば10年ぐらい安全に飲んでいた薬に急にアレルギーがおこったりする事もまれではありますがあります。 脅かす様で悪いのですが、今まで飲んでいた薬だから大丈夫だとは限らないのが怖いところです。 またアレルギー反応は、少量でも強い反応を引き起こします(用量に関係なく)。 そして一般的な薬剤であっても、特定の患者さんには強いアレルギー反応で後遺症を残したり致命的になる事があります。 いつどのような副作用が出るか、あらかじめ予想がつかないため、医者側も十分説明する事が出来ませんし、患者さんも副作用とは解らず不調があっても薬を飲み続けてしまう事になります。 ただ幸いな事にこういったタイプの副作用の頻度はそれほど高くありません。 しかし、患者さんには知っていてもらいたい、危険なアレルギー反応型の副作用があります。 ここではそれを説明します。

喘息・喉頭浮腫


薬を飲んだ直後から3-40分ぐらいの間におこる事が多いです。 突然あるいは徐々に、咳が立て続けに出たり、呼吸するときに、のどのところで笛の様な音が出るようになり、それがどんどん強くなってくるかもしれません。 周りから見ていても息が早く、唇が紫色になってきたり、首が顔が、浮腫んで赤く腫れ上がってきたりします。  こういった状況は喉頭浮腫とか喘息といった状態で、これが強ければ、すぐに対応しなければ気道が塞がり窒息する場合もあります。 新しい薬を飲んだ直後にこのような症状が出た場合、その薬は次は飲まない方が良いでしょう。 なぜならアレルギー反応の特徴として、一回目の発作より、以降の発作のほうが強い症状が出現する事が多いからです。 ご自身で2回3回と試す必要は無いと思います。 すぐ病院に連絡して相談されるか、のどの音がだんだん大きくなり、5-6分経っても息苦しさが収まらないようなら、救急車を呼んですぐに救急病院で処置をしてもらった方が良いでしょう。

全身の皮膚がただれてめくれる


薬を飲み始めると、発熱と全身に発疹が出現し始め、目の白い部分(結膜)や口の中(口腔粘膜)に強い発赤や充血、そしてタダレが出現する事があるかもしれません。 こういった症状を
スティーブンス・ジョンソン症候群と言います。 
さらに強い症状となると、全身の皮膚が水ぶくれの様になり、皮膚の薄皮一枚が浮き上がり、破れるとや薄皮がめくれ、透明な液体が出てきます。 こういった症状を
中毒性表皮壊死(Toxic Epidermal Necrosisの頭文字をとってTENと呼ぶ事もあります)と呼びます。 これらの頻度は低く、滅多にありませんが、皮膚や眼に後遺症を残したり、致命的になったりする事がありますので、直ぐに薬剤の中止と、入院していただきステロイドや免疫抑制剤等の点滴治療を行う事が必要があります。

薬局で渡される薬の説明書に書かれている副作用の意味


日本の副作用の調査方法は、科学的な根拠が無くても、医者が副作用だと言えば副作用として登録される事になります。 また10種類近い薬を飲んでいる人に、副作用らしい症状が出たときに、本当は一種類の薬が原因であるにもかかわらず、同時に飲んでいる10種類全部の薬に嫌疑がかけられます。 時には、医師が間違って患者さんの病状の悪化を副作用として報告し、それが副作用として登録されたりする事もあります。 結果的に、とても多くの無関係かもしれない副作用が列記され、収集が付かなくなるという事態がおこっています。 
この方法は製薬会社の隠蔽を避けるためにはとても良く、この情報を主に用いる医師は、たとえ多くの無意味とも思える情報があっても、その中から本当に重要な情報を取捨選択しながら処方致します。 なので本来の目的はきちんと果たしているのです。
しかし最近では、全ての副作用が列記された薬剤情報が患者さんに手渡されてしまうため、多くの情報に眼を奪われて怖くなり、処方された薬を飲まれないという方も時々いらっしゃいます。 危険を知る事は重要な事ですが、頻度の少ない危険に対する不安のために、本来薬から得られる利益を得る事が出来なくなるのは少々残念な事だと思います。 医者のほうは、その薬の投与によって得られる利益と、副作用の重症度と頻度を考えながら処方している事がほとんどですので、まあ信頼出来る医者が出した薬であれば、お飲みいただいた方が無難かもしれませんね。 ただ、ご心配であるようでした、きちんと処方された医師に相談された方がよろしいかと思います。 どうしても必要な薬でしたら、医者のほうも飲んでもらうためにきちんと時間をかけて説明するはずですので。

細胞に酸素を届けるという事

循環器は、心臓と体中に張り巡らされた血管をつかって、効率よく酸素を全身の臓器に送り出すネットワークです。 実際には酸素以外も運搬しますが、ここでは酸素を全身へ送るという点に焦点を当ててみます。

酸素は大事


どの生命体の生命活動もアデノーシン3リン酸(ATP)という共通の分子に頼っています。 糖や脂肪などの栄養素も結局はATPを作り出す原料に過ぎません。 ATPは細胞膜を通過する事ができず、さらにあまり長期間保存出来ないため、一カ所でまとめてATPを作って全身の細胞に供給すると行った事は出来ません。 そのためそれぞれの細胞でATPを作り出す必要があります。
植物が光合成を行う前の地球環境では大気中に酸素が少なく、植物が生まれる前の微生物は酸素が無い状態でも生命活動のためのエネルギー単位ATPを作り出していました。 しかし大量の酸素が作られてからは酸素を使った方が圧倒的に効率が良いため、人は酸素を使ってエネルギー単位であるATPを作り出しています。 そして緊急事態に対応するために、骨格筋肉等には酸素を使わないでATPを作り出すシステムも残していて、低酸素の状態でもある程度の活動を行う事が出来ます。 ただそれはあまり長続きせず、大量の乳酸が発生して活動を停止したり、疲労が残ったりします。 たくさんエネルギーが必要になる時には大量の酸素が必要になるのです。 では酸素はどうやって細胞まで運ばれるのでしょうか?

酸素は必要な時に必要なだけ送られます


全身の筋肉は運動するときに非常に多くの酸素を必要とし、循環器はその必要な酸素を供給しようとします。 十分な酸素が届かなければ、疲労し息が上がり、筋肉が痛くなり最終的には動けなくなります。  運動したり興奮したりすると、人間は心臓がどきどきして顔が赤らみます。 そのきっかけになるのは、アドレナリンというホルモンです。 アドレナリンが分泌されると心拍数が上昇して、一回ごとの心臓の収縮が力強くなり血圧があがり、筋肉等を流れる血液のスピードが早くなり、時間あたりの血液の通過量が多くなります。 簡単に言うとアドレナリンを使って心臓のパワーを調整して、酸素の運搬速度を早めていると言う事になります。 ただ、心臓のパワーが上がっても、筋肉や細胞に届く酸素が増えるわけではないのです。 筋肉の近くで血液の中の酸素を、細胞に送り届ける事が必要になります。

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赤血球が酸素を細胞へ効率よく運ぶ


赤血球等が含まれた赤い血液は毛細血管の中を流れています。 血管の壁に仕切られた外側には赤血球無く、リンパ液という無色透明の液体で満たされています。  細胞が直接触れているのはこのリンパ液で、いくら近くに大量の血液が流れていても、細胞に直接触れるリンパ液にきちんと酸素をわたして行かなければ、酸素はそのまま再び心臓へ戻って行ってしまいます。
酸素はほとんど液体に溶けません。酸素を運ぶため、赤血球特にその中に含まれるヘモグロビンという蛋白があります。 脱線しますが、血液が赤い色はヘモグロビンの色でもあります。 酸素がたくさん結合したヘモグロビンは明るい赤色、結合していないヘモグロビンは暗い赤色となります。 それぞれ動脈血液と静脈血液の色ですね。酸素はヘモグロビンにとても強く結合しているので、そのままではなかなか血管の外に酸素が出て行きません。筋肉の近くで酸素をヘモグロビンから切り離す必要があります。 
ヘモグロビンは、酸素の溶解度が低い場所や、酸性の環境で酸素を放出しやすくなります。 酸素がたくさん消費される場所や、乳酸や二酸化炭素がたくさん発生している場所で、ヘモグロビンから酸素が切り離されて、酸素が放出されます。 液体に溶け出した酸素は血管の壁を通過する事が出来ますのでそのままリンパ液に到達し、細胞まで拡散してゆきます。
ヘモグロビンのこの機能が無ければ、酸素は十分組織に行き渡る事が出来ず、人体の活動は制限されます。

毎日の有酸素運動が酸素の取り込み能力を高める


習慣の様に毎日、有酸素運動を長時間行う運動選手は、しばしば、安静時の心拍数が減少したりする事はよく知られています。 また軽度な心不全の患者さんに、適度な有酸素運動を続けてもらう事で、呼吸困難等の心不全の症状が改善する事が有る事は以前からよく知られてしました。 心臓の仕事量がほとんど変わらなくても、筋肉等の末梢組織での酸素取り込み能力が上がる、筋肉等の毛細血管の密度が増えると言った説明がされている事が多いですが、実のところあまりよくメカニズムは解っていない様です。 こういった酸素のやり取りの効率も良くなっているのかもしれませんね。
さらに静脈に眼を向けると、筋肉はのびたり縮んだりする事で、その中にある細静脈やリンパ管の中の体液を、弁付きポンプの力を使って、心臓へと戻そうとするでしょう。 筋肉は第2の心臓とも言われるのはこういった理由です。 こういった機能が運動を続けてゆく事で改善してゆき、心臓にむやみに負担をかけなくても、無理なく酸素を全身に送り出す事が出来るようになるのだろうと想像されています。 
運動不足は動悸・浮腫等の原因になります。 少し動くだけでドキドキしてつらい、すぐに息切れする、浮腫がちという方は、毎日(毎日が重要みたいですよ)定期的に有酸素運動を行う事で、心拍数が落ち着き、動悸の症状が改善が期待で来ます。 運動って大切なんですね。 

梅雨になりましたね

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よい天気の日が多かった5月も終わり、湿度の高い梅雨っぽい天気になって来ましたね。 雨が降って、服や紙がジメッとして、あまり気分は良くないですが、植物に取ってはとても重要な時期なのでしょうね。 患者さんに頂いて、一旦落ちた花がまた咲きました。  この時期、患者さんは少し少なくなるのですが、最近不整脈の患者さんが少し多い気がします。 湿度が高かったり、不愉快な環境は、やはり不整脈を起こしやすくする様ですね。  不整脈の診断にはホルター心電図といって24時間取り付けて生活してもらう、携帯型心電計があるのですが、去年はほとんど6月は稼働していなかったのに、今年は毎日いろいろな患者さんに使っています。 昔のホルター心電図と違い、風呂に入っても大丈夫な様に、本体は防水で、電極も、シリコンの薄い膜で出来た、防水仕様になっていますので、短時間でしたら風呂でも大丈夫です。 むかし、この水に濡れても大丈夫な心電計の開発をされていた方と知り合いだったのですが、心電図記録をしていても風呂に入りたいという、日本人の風呂好きから生まれたこの機械、とても患者さんに評判が良い様です。

『血圧が低くて困っています・・』

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低血圧で朝がつらいという方、多いのではないでしょうか? でも低血圧って一体なんなのでしょうか?
 
医学的に言う低血圧とはショック状態の事を言います。

病気で血管が開いたり、出血して血液の量が足りなくなったり・・。 様々な要因で血圧が下がり、収縮期の血圧で80mmHgを切る様な場合をショック状態と言います。 普通は顔面蒼白で、心拍が激しく、冷汗が手ににじみ、患者さんの多くは、気温が暖かくても「寒い」とおっしゃるったりします。 それは一般の方が日常で使う「低血圧」とはちょっと意味合いが違う気がしますね。 

では一般的な意味合いでの「いわゆる低血圧」とは何なのでしょうか?
 
安静時の収縮期血圧は90mmHg前後でも、「いわゆる低血圧」の症状が出ない人もいます。 塩分を人間ほど取らない動物の安静時の血圧を測定すると80台後半である事が多いです。 人間意外の脊椎動物の血圧はほぼ同じですので、たとえ血圧が安静時に80台であってもそれだけで死ぬ事はありません。そして、活動時に素早くきちんと血圧が上がり、体にきちんと酸素を送り込む事が出来れば、「体が重い」「動けない」といった「いわゆる低血圧」の症状は出ません。 健康な患者さんに診られる「いわゆる低血圧」の場合、薬では良くなりません。適切な薬剤が無いと言った方が良いかもしれません。 もともと人体には活動時に血圧を上げる機能が十二分に備わっているため、本来ある血圧を上げる機能を取り戻す事の方が重要なのでしょう。
こういった「いわゆる低血圧」を引き起こす人にはいくつかのパターンがあり、そういった日常生活を改善する事で、低血圧の症状を改善する事ができるかも知れません。

低血圧を起こす要因には

  1. 不規則な生活をされておられる方: 人間の体は一日24時間のリズムがほぼ決まっています。 寝る時間、起きて活動する時間が、一定のリズムで行われる事で、眠りから覚めて起き上がる時間がある程度決まります。 そのリズムから逆算して起床の直前に血圧を上げるホルモンの準備や自律神経の準備をすると言われています。 なので、不規則な生活をしていたりしてリズムが十分出来ていなかったり、夜更かしなどでリズムが狂ってしまった場合、血圧を上げるホルモンの準備が無い状態で起き上がる必要があり、活動に必要な血圧が上がらず、起床時に「だるい」「つらい」と感じるようになると考えられます。
  2. 女性ホルモン: 女性ホルモンはいろいろ異論があるようですが、投与すると血圧が下がる傾向にあります。 女性に低血圧が多いというのはうなずけます。 しかしそれ以外にも、女性は体重を気にしがち、あと足の浮腫等も美容の面から特に気にしがちで、水分の摂取や塩分の摂取を過剰に控える傾向があります。 しかし塩分量や水分量を制限しすぎると、循環血液量が低下して血液を血管の中に十分満たして圧力を上げる事が出来なくなり、低血圧となります。
  3. 低体温の方: 良く無理な絶食ダイエットなどをされるかたおられますよね。 繰り返すと、基礎代謝が下がりいわゆる体が冬眠のような状態になるために、やせにくくなるとも言われています。 そういった方の特徴として、安静時の心拍数が遅い(毎分60を切る)、体温が低い(35度とか)といった事があったりします。 体温が低かったり、心拍数が低すぎると、それにあわせて血圧も低くなる事が多く、いざ体を動かそうとしても、心拍数が上がらず、血圧が上がらないという事になる事があります。 やはりダイエットには適度な運動が必要なのです。

病気と関連した低血圧

  1. 血圧の薬: 血圧の薬は強制的に血圧を下げます。 普通の生活をしていたらある程度ご自身の高い血圧と見合う分だけの降圧薬を飲んでおられる方が、例えば食事がとれなくなったり、旅行等されて、食生活ががらっと変わったりして、体本来の血圧が急激に下がり、それ以前に飲んでいた血圧の薬では血圧が下がりすぎてしまうという事があります。 特にたくさんのお薬を飲んでおられる方が予期しない低血圧になる可能性があると思います。 やはり血圧の薬を3種類以上飲んでおられる患者さんは、旅行中に手首ではかるタイプでも結構なので携帯型の血圧計をお持ちになられた方がよろしいかと思います。 
  2. 全身の病気と関連した低血圧: こういった「いわゆる低血圧」の症状に近い全身の病気がいくつかあります。 甲状腺ホルモン・副腎ホルモンの異常や、血圧調整に関連する脳神経・自律神経の病気、脱水や塩分喪失に伴う低血圧や、徐脈性の不整脈疾患、周期的に脱力してしまうミネラルの異常等。 こういった病気は、詳しい症状や採血、心電図等でわかったりする場合があります。 頑固な「いわゆる低血圧」に悩まれておられる方の中にはそういった病気が隠れている事があります。 あまり頑固な症状があるようなら、やはり一度医者に相談してみるのも良いように思います。

医者に、「私低血圧で朝が辛くて」と言っても、スルーされる事が有りますね。私も時々スルーしてしまいます。 医者の言う低血圧と、患者さんの思っている低血圧が違うためにおこる誤解なのですが、もう一つ、あまり良い治療法が無く、生活上の注意でなんとかやって行くしか無いという点が、医者の治療意欲を失わせている原因でもあります。 ただ、全身の病気と関連した低血圧の場合、少し問診して、診察をすればだいたい解って来ますので、そうでなければ、「大丈夫」の一言ですまされたり、「朝食に少し塩分を取ると良いですよ」なんて言う話で終わってしまう事が有ります。 しかしやはり基本は、規則正しい生活をして、適度な運動を心がける、日の明るい時に行動し、むやみに夜更かししない。 そして無理なダイエットをせず、医学的に適正な体重を心がける様にする事が大事だと言えます。  ただほとんどの患者さんがその今の生活スタイルを普通と思っておられますからね、念を押しますが主観的な感覚ではなく、あくまで客観的な見解が重要です。 

いよいよ6月です

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もう梅雨入りですね。 今日は5月最終日ですが、雨が上がって梅雨の中休みと言ったところでしょうか? 実は最近になって、以前、慶應の外来で拝見していた患者さんがちらほらまたやって来てくださる事があり、お元気そうだったり、そう出なかったり、いろいろなのですが、懐かしい方々にお会いできてとてもうれしかったりします。 
写真は、ミニバラのつぼみです。 患者さんに頂いたミニバラの花が一通り落ちた後に、窓際に置いておいたら、またつぼみが出来始めたところです。 梅雨は、人間にとってはじめじめとして少し過ごしにくい季節ですが、動物や植物に取っては恵みの雨。 いろいろは花が咲き、新芽が出たり植物が生長する季節でもあるのでようね。

ただやはり私は、やはりさわやかな風のふく、からっとした明るい天気が好みです・・。 今日のようなよい天気もそうそう続かないでしょうから、あと1ヶ月ちょっとは、じめじめして、出かけるのも少し億劫になる季節ですね。 雨の日は滑りますので足下にご注意下さい。 私も、3年程前に、雨上がりに滑ってころんで膝を強く打ったせいで、じん帯をいためてしまったのか、今でも思いっきり力を入れる事が出来ないです。 関節の怪我という物は本当になかなかもとには治らない物ですね・・・。 

採血は空腹で取るのが良いのか、食事をしてきてよいのか?

一般的に、採血をされる際、空腹で来てくださいと言われる場合が多いですが、 三好クリニックでの採血項目は直前の食事で影響の無い物が多く、 「30分前に腹一杯焼き肉を食べて来た」と行った事さえなければ、食事は普通にして来てくださって結構です。


空腹にして採血していただく場合は、いくつか拝見したい採血項目がある場合に限ります。


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空腹時の血液の中の糖の濃度(血糖値)を測定する必要がある場合に空腹で採血を御願いしています。 正常な患者さんですと食事の後2時間空けて採血すれば、空腹時の血糖値が見られます。 前日や前々日だけ断食のようにされて血糖値を下げてこられる患者さんがおられるので、三好クリニックではヘモグロビンA1cといって、採血前一ヶ月の平均血糖値を見る物や、グリコアルブミンといって2週間程度の血糖値の平均値を見る指標を使って拝見する事が多く、血糖値を直接測定する事はありません。 患者さんの希望があった際や、特殊な状況でお願いする場合があります。 同様に血糖を下げるホルモン・インスリンの量も食事の後で大きく変動するために、測定するために空腹で来院していただく事があります。 その場合、きちんと指示しますのでご安心ください。
中性脂肪は、直前に取った食事に大きく影響を受けます。 血糖値と異なり、食事の後4-6時間ぐらいで最も吸収が強く高くなります。 昔読んだ、臨床検査の教科書では正確な測定をするためには17時間絶食後と書いてあったように思います。 朝9時に採血するとして、前日の夕方4時には食事を終えておかなくてはならないわけです。 なので基準値より少し高い方が多いようです。 都会で生活される方の夕食は結構遅いですからね。 また中性脂肪がとても高い患者さんでは、前日の夕食を出来るだけあっさりした物にしてくださいと指示する事になります。  

逆に普通に食事してきてくださった方が良いなと思う場合は。


糖尿病の境界領域の方やステロイド等を内服されておられる患者さんで、食後にのみ過血糖になる方がおられます。 そのような方の場合、わざと、食後に来てもらう場合があります。
一般的に食事をしないでくださいと申し上げると、飲水もされない方がおられます。 採血前に水分等の摂取が少ない場合、血液の実質成分が濃縮され次の様な項目が上昇してきます。
1、尿酸値 2、尿素窒素・クレアチニン 3、ヘモグロビン(赤血球の量) 
逆に、心臓のポンプ機能を示すBNPと言った値は低下します。 こういった状況を脱水と言いますが、慣れてくると、この値をみて、今日は水分量が少ないとか多いとかがわかったりします。 でも値が大きく揺れて、患者様自身が心配される事が時々あります。 そういった場合、普通に食事をしてきていただくか、水分は普通に飲んでいてもらった方が良いでしょうね。

食後に上がりそうで、実はあまり影響がない項目


私も意外なのですが、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)は、あまり直前の食事の影響を受けません。 なので『健康診断で悪玉コレステロールが高いけど、昨日脂っこいもの食べたからなー。 本当は大丈夫のはず』と思っておられる患者さんは比較的多いようです。 以前総コレステロール値で測定していた際にはそういった事もおこりましたが、最近は悪玉コレステロールを直接測定するようになってきています。 そうするとあまり直前の食事の影響は受けないので、高い方はやはり高いと思っていた方がよろしいようです。

採血で気分が悪くなる方や、倒れた経験のある方


採血の後に気分が悪くなって、倒れてしまった経験がある方多いのではないでしょうか? 実は私も子供の頃にあります。 採血時に極度に緊張したり、痛みが強かったりすると起こる現象で、迷走神経反射とも言いますが、そういった刺激で心拍数が下がって血圧が下がる事が原因の一つです。 一般的にですが、空腹や水分を取っていなかったりしておこる場合が多いようです。 そのような方は、やはり採血の日にはきちんと、食事をされたり、水分を取って来院される事をお勧めします。

インターネット予約

三好クリニックの予約はお一人20分でおとりしています。 しかしインターネットで予約をされた方は、枠が1時間おきになっているのに気づかれておられるのでは無いでしょうか?
例えば11:00に予約を取られるとすると、11:00~12:00の間であいている最も早い時間の予約に自動的に振り分けられます。 そのため、ご希望よりだいぶ遅かったり、早すぎたりします。
今回患者さんにコメントを書いていただく欄を作製してあります。 そちらに、その枠の遅い時間枠が良ければそのように記載して送付して頂くとありがたいです。 
また確認用のメールにご自身が何時の予約が取れているのか、明確に時間を記載してお返しする様にしました。 
まだ、もう少し工夫が必要かと思います。 ご不自由おかけしますがよろしくお願いいたします。

ゴールデンウイークを終えて

寒暖の差が激しかった3月4月を終えて、ようやく少し五月晴れ、初夏といった雰囲気になって来ましたね。そろそろクリニックも冷房を入れ始めました。

三好クリニックは開院してからまだ2年経っていません。 去年は3月に患者さんが多く、4月5月と少し落ち着いて少なかったのですが、今年は5月も結構多くの患者さんがいらっしゃいます。 連休中と連休後は今年はかなり混み合いまして、患者さんにはだいぶお待たせしたのではないかと思います。申し訳ありませんでした。 クリニックの経営者としては、患者さんがたくさんいらっしゃるのはありがたいのですが、余混みいってしまって、患者さんをお待たせするのは気が引けます。 まあ本当の所を言えば、1ヶ月前とか2ヶ月前の私の予約の取り方が悪かった訳なので、もう少し工夫して予定を調整しないといけないな。と反省するしだいです・・・。 来週から少し患者さんの予約数は通常のペースに戻ります。 

診察をしていて、特に時間というのは結構大事だと実感します。 十分な時間さえあれば、医者の能力など大差無い物です。 ただ経験を積んだりよい医者になると、短時間で病気が診断できたり、短時間で迷い無く明確な説明を患者さんにする事が出来たりする事で、5分や10分程度の忙しい外来の診察でも、なんとか正確な診断に行き着き、患者さんに十分納得してもらう事が出来るという訳なのだと思います。 私は、自分が名医とは思いませんし、思いたくもないですが、やはり一人一人にかける時間は大事だなと思っています。 特に不整脈の患者さんは、発作の頻度が少ないと、患者さんとのお話や、何を求めて受診されるのかという事を時間をかけておききしなくては、なかなか患者さんの希望される治療に結びつかない場合が多いです。 そのため、三好クリニックでは少し、一人一人の予約時間が長くなっていて、そのため予約無しで受診された場合、予約の患者さんの合間に拝見するためだいぶお待たせしてしまう事になってしまいます。 ご協力いただければと思います。

ただその一方で、自分の中では、偉そうに予約を取ってまで来てもらう価値があるのかと、自問する事もあります。 本当はフラッとやってこられても、いつも空いていていつでも、診察できるようなクリニックが良いですよね・・・。 なので、予約が苦手なかたは、ちょっと待ち時間を我慢いただきますが、予約をキャンセルされる方もおられますし、合間を見てきちんと拝見いたしますので、ご来院いただければと思います。 

ホームページのデザインを変更しました

ホームページのデザインを変更しました。
最近、6年ぐらい使っていた携帯電話(いわゆるガラケー)をやめて、iPhoneを購入しました。 ほとんど通話に使わないですし、電池の接触が悪く、起動しなくなったりしていたので、思い切って交換しました。 それまで、予定表等をiPod touchに入れて管理していたのと、iPod touch自体もかなり古くなり、そろそろ文庫本等を読むのには遅くなりすぎてきた事もあり、購入しました。
iPhoneを使ってみて、思ったのは、うちのクリニックのホームページの字が小さくて、良く読めないという事でした。 最近の方は皆さん、Smart phoneを使われる方が多いので、スマートフォン対応のレイアウトにしないとなーと考えてました。
また最近、アクセス数が多くなり、結構多くの人が見ていてくださる様なので、ちょっと奮発して、新しいCCSテンプレートを購入して、レイアウトを新しくしてみました。 もう1年半になりますから・・・。
しばらく勉強していなかったホームページのhtml言語をまた勉強し直しました・・。

クリニックの床掃除

ゴールデンウイークに入り、休みが少しあったので床のワックス掛けを行いました。 ご家庭でワックスをかけておられる方はお分かりになると思いますが、ワックスをかけるのはそれほど大変では無いのですが、その前の床の汚れ落としが結構大変なのです。 大体年に3-4回やるのですが、今までは、手で床の汚れとワックスを落として、雑巾ですすぐという方法でやっていました。 去年の年末にあまりに力を入れすぎたためか、腱鞘炎になって、2ヶ月ぐらい、重いものを持てなかったので、今回ポリッシャーという機械を購入しました。 良くビルなどの床掃除で業者の人が石けんを付けて、先端の丸いスポンジをぐるぐる回して、床を磨く装置ですね。 あれの小型の物があったので購入して見ました。 あれは難しいですね。 ビルの掃除をしている方々の技術の高さを知りました。 簡単に言うと、左に行くにはハンドルを手前に倒し、右に行くにはハンドルを上げる、前に行くにはハンドルを左に倒す、と言った具合で、かなり混乱します。 また少しパニックになると先端が急に暴れだして、大変な事になるわけです・・・。 イヤー 良い勉強になりました。 結局、腱鞘炎にはなりませんでしたが、翌日の全身の筋肉痛はかなりのものでした・・。 やはり休みの日にやっていてよかった・・・。 
でも、手でやっている時に比べて、洗浄からすすぎまでの時間がかかってしまい。 残ったワックスのせいでワックス掛けが少しむらになってしまいました・・・。 とほほです。 やっぱり手作業が一番ですね。 

『めまいがするのですが・・』3

立ち上がったとき、ドキドキして、くらっとする。


座っていたり寝ている状態から立ち上がった直後に、くらっとしたり・手に冷汗をかいたようになったり・目の前がかすむみたいに暗くなって倒れてしまったりする。 このような症状は、疲れていたり、朝食事を十分取っていなかったり、風邪などをひいていて、長期的に伏せがちになっていたりするとおこりやすいです。 通常は、座ったりしゃがんだりすると回復します。 このような症状は、起立性低血圧と言います。 一般的には脳貧血と言われているかもしれません。 一時的に脳の血圧が低下して、意識がなくなる事による症状です。 
脳は常に酸素を必要とする臓器です。 なので7秒から10秒ほど血圧が低下すると、脳は活動を停止して、意識が消失します。 立ったり座ったり、時には逆立ちしたりする人間は、脳の血圧を一定に保つために重力と戦う必要があります。 心臓と脳の位置は約50cmほどはなれています。頭の位置が心臓と同じ高さにある寝ているときは特に問題有りませんが、座ったり立ったりすると、頭は心臓より50cm程の落差が生じるため、単純に計算すると脳の血圧は40mmHg程度低くなるはずです。 しかし人体は脳以外の血管を収縮させたりする事で、脳へ行く血圧を維持しようとします。 
足は心臓よりかなり低い位置になりますので、立ち上がると足から心臓へ戻ってくる静脈血液が減少して、心臓は送り出す血液がなくなります。 この状態が続けば、数秒から10秒程で脳貧血がおこります。 人体はそうならないように、足の静脈を収縮させたり、筋肉を収縮させて足の静脈のポンプ機能をフル稼働して、心臓へ戻ってゆく血液の量を維持して、脳貧血を起こさせないようにしています。 また脳貧血がおこった場合、本能的に心拍数を上げて血圧を上げようとするため、動悸を感じる場合もあります。
血管を収縮させて、脳への血液の量をコントロールする体の仕組みは、使わないと数日でなくなります。 病気等で長期間寝ていて、極端に運動量が不足していたり、ほとんど外に出ない暮らしをしている人で、こういった機能が弱くなって、立ち上がった際に、めまいが生じる事が有ります。 逆にこういった血管の運動能力は、訓練する事で簡単に回復するため、体を動かして運動する事で、徐々に回復して行く場合が多いです。 患者さんの多くは、立ち上がると、動悸がしてふらふらするのが怖くて、伏せがちになられる場合が多く、そういった心理は逆に症状を長引かせる場合があります。
 動脈や静脈の収縮をコントロールする自律神経に作用する薬を内服していたり、自律神経の機能が低下するような、糖尿病や神経の変性疾患等が有ると、訓練では回復しない場合もあります。 まずはそういった要因が無いことを確認してゆく必要があります。

埃っぽい

最近、風が強くて、花粉だけじゃなくて、土埃なんでしょうか・・。 空や景色が少し茶色っぽく見えますね。 窓を開けていると、家具やサッシに黄色い砂埃がたくさん付いていいて、こういう空気を吸い込んでいるかと思うとあまり気持ちの良いものでは無いですね。 喉が痛い・咳が出ると言った不調を抱えておられる方、結構多い様です。 今日は朝少し雨が降って、ちょっと収まりましたが・・。 もう少しの辛抱なのでしょうね。 

『めまいがするのですが・・』2

「立っているとき、歩いているときだけめまいがする」


立っている時だけめまいがしたり、歩いている時だけめまいがする方は、お尻から下の筋肉等の運動に関係する筋肉や骨格の異常である場合が多いでしょう。
前にジャイロ(三半規管)の話をしましたが、人間は体の位置や自分の体の状態を把握するためにそれ以外にもいろいろな器官が付いています。  日常生活であまり意識する事はありませんが、目を閉じていても、関節がどの程度曲がっているかとか、足首がどちらを向いているという事を人は感じています。 この感覚は深部知覚といって、主に腱や筋肉の中に埋め込まれたセンサーを使っています。 歩いているときに路面が左や右に傾いていても、足首の角度がどのようになっているかを瞬時に判断して、自分の体の方向を立て直そうとします。 つまり、人間は大きく分けて、目から入る情報と、三半規管から入る情報と、深部知覚から入ってくる情報をあつめて、自分自身の体の位置を、周囲の状況を判断しているわけです。

「筋力の衰えや病気によって弱る深部知覚」


この深部知覚は、高齢になったり、糖尿病で少しづつ減弱します。逆に運動などの練習によってある程度鍛える事もできます。また筋肉が衰えてくると、体の位置がきちんと保てていない事があります。 主観的には頭では正確に筋肉を動かしているつもりなので、周囲の景色が動いたように感じる事もあります。 そういった理由から運動不足気味で足腰の筋肉が弱い方は、歩行時のめまいを感じやすいでしょう。  こういった症状を自覚するのは、階段を上ったりする様な足腰の筋肉を必要とする動作ではないでしょうか?  平地での歩行では足をある程度の高さまであげる腿上げという動作はほとんど行いません。 腿を上げると、反対側の一本の足とお尻の筋肉を使って体をまっすぐ立たせようとしますが、筋力が低下すると、それが出来ず、左右にぶれ、長い直線の階段などでは、景色が左右に揺れる様な、めまいの症状がでる場合があります。 日頃から、歩いたり、階段を上がったりする運動が必要でしょう。 こういった足腰に問題がある場合のめまいは、じっとしているときや、座っていて足やお尻の筋肉が使われていないときにはおこりません。  座っていればめまいが起こらないなら、足腰の運動器に問題があると思った方がよろしいでしょうね。

こういってしまうと、ただの運動不足なのでは無いかと思われがちですが、珍しいですが小脳の病気や、筋肉や神経の病気、糖尿病等でも似た様な症状になる事があります。 きちんと医者に相談して、適切な検査を受けられた上で、運動などをされる事をお勧めします。

続く

『めまいがするのですが・・』1

ふらっとする。ふわふわする。ぐらぐらして気持ち悪い。 いろいろ表現はあります。 こういう状態を「めまい」あるいは「立ちくらみ」と表現します。

日常生活で一番遭遇する機会の多いのは、「病み上がり」といって、2−3日病気で寝たきりだった患者さんが、少し良くなって起き上がってトイレへ歩いたりする際に、ふわふわする。 地に足がつかない感じがする・・。 ひどい場合、冷汗がでて目の前が暗くなってうずくまってしまうという様な症状がでる場合もあります。 これは長い間に寝ている事で、足腰の筋力が衰えたり、立ち上がったときに血圧を調整する機能が失われて、脳貧血を起こしたりする現象です。 

めまいとは、自分の体の位置がうまく認識出来ない、固定出来ない、立ったり座ったりする事が出来ずに寝込んでしまう。 もう少し踏み入って言えば、自分の目から入ってくる体(主に頭)の位置の情報と、自分の体のほかのセンサーが感じている位置の情報が食い違う、それが原因で不安になり、その場から逃れたいという動物的な本能が働いて「吐き気」が出現する事もあります。 これがめまいとめまいに付随する症状のもとになる病態です。

患者様にとってはどの科に行ったら良いか迷うところかもしれません。 めまい科という科は普通ありませんし、いくつかの科にまたがった症候群ですので。 めまいを専門とする科は、大きく分けると耳鼻科(三半規管、前庭神経)・神経内科(小脳・脳幹・運動神経)・整形外科(筋力)・循環器内科(心臓・血管)と言ったところでしょうか。 私は循環器内科なので本来循環器のお話からするべきなのでしょうが、患者さんの立場になって症状の特徴から見てお話ししてみます。 

まず区別する事は、その症状のでかたです。 立っているときだけでるのか? 座っているときや、寝ているときにもでるのか。 という事で分ける事が出来ます。

「めまいが寝ているときにもおこる」


目から入ってくる情報は、頭の位置が固定されていれば通常大きくぶれる事はありません。 もしも寝ていて頭が固定されている状況でもめまいがあるならば、その病気の本体は耳鼻科領域、三半規管・前庭神経の異常でおこっている病気が考えられます。 同時に、前庭神経と脳神経の中で近い場所にある、聴覚神経、つまり聴力が落ちたり、強い耳鳴りが一方の耳から出現すると言った症状が加わってくるなら、それは三半規管だけでなく、神経内科の領域、脳幹の血液の流れの異常に関連した症状である場合があります。 頭をある角度にすると急にめまいが発生して、目をつぶっていても気持ちが悪い。 こういった症状は一時的なめまいですので、血管の病気では無く、主に三半規管内の耳石の異常によっておこっているめまいである事が多いです。 

少し三半規管について掘り下げてみましょう


三半規管は、自分の頭がどちらの方向を向いているかという事を認識するのにとても重要な働きをしています。 しかしそれだけでなくて、目の動きととても密接に関連しています。 皆さん歩いているときに、どうして自分の視野がぶれないか考えた事はありますでしょうか? 歩きながらビデオカメラを撮影すると、撮影の時はきちんととれているつもりでも、後で見ると画面が大きく動いていて見るに耐えない映像になっていると行った経験は無いでしょうか。 目は、ビデオカメラより高度なテクニックで、網膜に写る映像を揺れないように眼球と頭の位置を調節しているのです。
人間の目がビデオカメラ程度の能力であれば、歩いたり走ったりしながら景色を見る事は出来ません。 網膜に写る像を安定化するためには、三半規管がとても重要な働きをしています。 理工系の知識のある方ですと、ジャイロ機能と言うと納得されるかもしれません。 三半規管は頭がどのように動いたかを、素早く感知して、視線の方向を一定に保とうと、眼球の筋肉を動かします。 この機能はほとんど自動的に行われるため、三半規管に異常がおこって変な信号を出し始めると、眼球が勝手に動き、網膜に映る像が動くため、周囲の世界が勝手に動いたと感じるようになります。 これが三半規管とその系統の脳神経の異常で生じる回転性のめまいという症状となります。
ちなみに三半規管の病気の場合専門は、耳鼻科となります。

続く

連休ですね

先週末と今週と少し患者様多く来院されて、外来は忙しかったです。 多くの患者さんをお待たせしたような気がします。 特に予約無しでいらした患者さんは大変だったでしょうね。 三好クリニックはやはり循環器のクリニックなので、検査等に入ってしまうと一人の患者さんに結構時間がかかってしまうので・・。 出来ればご予約してから来院して頂いた方がよろしいと思います。 
今週は水曜日は、積もりませんでしたが雪が降り、多くの患者さんがキャンセルされ、それと同じぐらい体調を崩されて来院されました。 風邪、特にインフルエンザの患者さんが多い気がします。 延期された患者さんの予約等でまた来週少し混雑しそうな予感が・・・。

週末は明日土曜日から来週月曜日まで、三好クリニックは3連休になります。 体調崩されておられる患者さんに取っては少々不安もあるかと・・。 すいませんね。 

表参道も5時を過ぎるぐらいまで、明るくなって来て、だいぶ日の入りも遅くなっている様ですね。 節分=立春と言いますから、暦上は春なのでしょう。 まあ春というには今日は風が冷たく強かったですが・・・。 まだまだ寒い日が続くのでしょうね。 皆様、お風邪引かない様に暖かくして御出かけ下さい。 そろそろ花粉も飛び始めていますね。


インフルエンザ

寒いですね。 表参道今年はライトアップが無いと思っていたら、道路の低い生け垣に電飾が付けられています。 少し華やかです。

最近、インフルエンザA型の患者さん増えてますね。 こちらでワクチンを打たれた方も感染しておられました。 なんだか無言で非難されているような気分になりました・・・。  インフルエンザワクチンは今年流行する抗原を予想して抗体を作ります。 ウイルスのタンパク質に対して抗体を作りますので、おそらくある程度は効果があるのだと思いますが、 一般的に効果があるのは7割程度と言われています。 つまり3割の方は感染します。 私が思うに、体の免疫がウイルスと戦うメカニズムは、リンパ球などの細胞を介した免疫が主体です。 なので、ウイルスに対する蛋白に対する抗体と言う蛋白をたくさん作っても、完全にはウイルスを駆除する事は出来ないのではないでしょうか。 なのでやはり、ワクチンはあくまで補助的な物であって、インフルエンザの予防は患者さん自身が自分たちの生活習慣を見直しながらウイルスと対抗してゆかなくてはなりません。 


インフルエンザのウイルスは、患者さんの咳の中の小さな飛沫に大量に含まれています。 最終的にはそれが、のどや鼻の粘膜に取り付いてそこで増殖して感染する訳です。 僕が個人的に思う予防法をちょっと列挙してみます。

1、手洗いをする
疫学的な研究で確かに証明されているのは、風邪やインフルエンザの予防効果が最も高いのは手洗いだということです。 しかし同室の人が感染していたり、家族が感染していると、ずっと洗っているしかない事になってしまいますよね。 何かドアノブや、いろいろなところに触れた手、そこにウイルスが付いている訳です。 でもウイルスはずっと空気中で生存できる訳ではありません。 ウイルスの増殖には生きた細胞が必要です。 なので一度患者さんから離れたウイルスは、必ず少しづつ壊れてゆく訳です。 そう出なければ冬に吐き出したインフルエンザのウイルスが付いたドアノブを夏に触った別の人が感染するはずです。 しかし、そんな事は現実にはない訳で、必ず少しづつウイルスは壊れてゆくのです。 

2、加湿と室温を高くしておく
インフルエンザのウイルスは、湿度と高い温度に弱いです。 なので部屋を暖かく、そして適度に加湿しておく事は、ウイルスの量をへらすのに重要です。 おそらく感染にはある程度のウイルスの量が必要なのだと思われます。 温度の低い空気は元々、少ししか水分を含む事が出来ません。 なのでその冷たい空気を空調で暖めると、同じだけ水分が含まれていても空気中の湿度は低下します。 雨が降っている時でも、その空気を室内に入れて暖めれば、必ず乾燥する訳です。 なので暖かい室内で加湿器や、濡れタオル等を近くにおいておかれるのは良いかと思います。 口の回りだけと考えると、マスク等は吐いた息の水分を蓄えるので、口の回りが加湿されます。

3、むやみに口元に手を持って行かない マスクをする。
ウイルスがアタックする場所は口の中や鼻の穴の中の、潤った粘膜の部分です。 ウイルスの粒子は確かに空気中をしばらく漂っていますが、多くは、床やテーブル、ドアノブ等に落下して存在しています。 それを手に付けて口元に持って行ってしまうために感染がおきるとかんがえられます。 なので手洗いが重要なのでしょう。 手を介して感染しているという事だと思います。 マスクには口の回りに直接手を持って行け無くなるという点効果があります。 人は考え事をしているとき、無意識に口に手を持って行く事が多いです。 鼻を触ったり、眼鏡を触ったり・・。 そういう動作の時に間違って手を口に直接触れない様にするのが良いのかもしれません。

4、喉や首を冷やさない
人の体は、暖かい血液が流れているのでなかなか冷えません。しかし、首や喉は断面積が小さく、露出する傾向にあるので、結構外気温に影響を受けやすいです。 粘膜の温度が下がると、免疫細胞の活動も低下して、少量は入り込んだウイルスにたいしても十分な防御機能を発揮できません。 出来るだけ、喉の部分を冷やさない様な格好が望ましいです。

5、換気をする
外の温度が低いのに、窓を開けると室温が下がります。なので室温を高くするという事と矛盾します。 しかし、例えばインフルエンザにかかった人が同居している、あるいは室内に入って来てしまった。 さらにそこでゲホゲホと咳をして立ち去って行った場合。 室内には大量のインフルエンザウイルスが舞い上がっている状態になっているはずです。 そのままその室内に居続ければ感染してしまいます。 しかし、そのとき、20秒でも30秒でも、窓を開けて換気をすると、ウイルスの量は減少して、だいぶ喉の調子は良くなります。 あまり長く開けっ放しにすると、室温が下がってしまいますのでよくありません。 おそらくそのぐらいの時間ですと、家具や床や壁が芯まで冷えませんので、窓を閉めるとまた比較的短時間で室温は戻ってくるでしょう。

6、アルコール消毒
感染した患者さんに直接アルコールを振りかけても消毒にはなりません。 ウイルスは細胞の中に居ますので・・・。 なのでアルコールを飲んだからといって、インフルエンザには勝てません。 アルコールで消毒する場所は、よく皆さんが触れる場所、例えば、ドアノブやテーブル、電話機、コンピューターのキーボード、リモコン、電気のスイッチ等でしょうか・・。 アルコールを含んだウエットティッシュで時々拭いてあげるとか、後は最近薬局等でも売っている、刷り込み式の速乾性アルコール(ローションが入っているやつが良いです)を使うのが良いでしょうね。 あまり手を洗いすぎて手が乾燥してしまっているのはあまり感染防御には良くないと思います。

7、手荒れを防ぐ
手の表面、特に指先にはいろいろな生体防御用の酵素が汗とともに分泌されていると言います。 皮膚は潤いが保たれている時には、そういった防御機能が高まりますが、乾燥して、ひび割れていたりするとそういった機能は低下するのでは無いかなーと思っています。 仕事柄消毒のためにアルコールを頻繁に使うわけなのですが、結構指先がアルコールで脱脂されて、乾燥して荒れてきます。 なのでよくハンドクリームを使っています。

8、のど飴、紅茶等
ハッカ等の入ったすーっとする飴ではなく、普通の飴等でも良いと思います。 とにかく唾液が出る事で、口の中の菌量はぐっと減ると言われています。 ならば、ウイルスも同じなのではないかなー、と密かに思っています。 紅茶も良いですよね。 やはり主に口の中に存在しているウイルス量を減らすという事が重要なのかなと思います。 飲み込んで胃まで落ちれば、強い胃酸が待っていますので・・。 

私も、毎日インフルエンザの患者さんを拝見している訳で、いつ感染してもおかしくないはずなのですが (というか普通一番に感染するはずなのですが・・・。)、なんとか耐え忍んでいます(内心ドキドキしながらですが)。 私も人ですので、感染する訳です。 なので、今はマスクしながら診察しています。 最後の方はほとんど独断と偏見でしょうけれど・・・。

ワクチンを打ったからといって、安心しないで出来るだけ、感染防御に勤めていてください。 受験生の皆様は特にこれからが勝負のときです。 風邪等ひかない様がんばってくださいね。

お酒と不整脈

最近、不整脈の患者さんからお酒を飲んでよいかと尋ねられました。おめでたい席が多いですからね。
 私自身お酒は嫌いではないので、お酒をのみたい気持ちは解ります。 元々、命に関わらない不整脈の場合、それはお酒をのんでもドキドキするだけで、それがご本人が嫌かどうかという問題になります。 つまり、お酒を取るか動悸を避けるかと言った問題になりますね。 お酒をのむ事でどんな事が起こりうるかという事を書いてみましょう。

1、『お酒は絶対だめ!』という心臓病があります。 これは、異型狭心症といって、心臓の筋肉を栄養している血管が痙攣して血が心臓の筋肉に行き渡らなくなる病気です。 この病気は年齢とは関係なく起こります。 喫煙やストレスでも起こりますが、アルコールを飲むと必ず起こるという患者さんがいます。 『アルコール誘発性冠攣縮狭心症』と病名は付くでしょうね。  たいていの場合、アルコール飲酒後よりアルコールが抜けてくる朝方に多い様に思います。 その原因は私はあまり良く理解出来ていませんが、アルコールに関連した病態の多くは、アルコールが代謝されて血液中からアルコールが無くなるときに多い気がします。 たとえは悪いですが、二日酔いとかそうですよね。 また後で述べる心房細動等も抜け際に悪くなる様なケースが多いです。 この異型狭心症のケースの場合、特にアルコールで誘発される場合、いくら薬で押さえていても、アルコールを飲む事は危険です。  異型狭心症時に、房室ブロックという様な脈が遅くなる不整脈が起こったり、心室細動という心臓の痙攣が起こって心臓が止まってしまう事が希にあります。そのような患者さんにはアルコールは禁止になります。

2、心房細動という不整脈が起こりやすくなる事があります。 お酒をのんでいるうちは大丈夫でも、お酒が抜けるときに、心房細動という不整脈が起こりやすくなる方が結構いらっしゃいます。 アルコールが分解されて、アルデヒドという分子に変換されてゆくのですが、このアルデヒドはいわゆる二日酔いの原因とも言われていますね。 アルデヒド分子は、心臓のイオンチャネルにも作用があると言われていて、そのために心房細動が起こりやすくなる場合があると言います。 患者さんの中にも、お酒を飲んだ翌日に必ず発作があるのですという方をしばしばお見かけします。 心房細動自体は命に関わる不整脈ではありませんが、心房細動によって生じる脳梗塞や、心房細動が直ってご自身の脈が始まるまでの間が5秒から10秒近く心拍が停止する様な方もおられます。 そのようなリスクのある方は、やはりお飲みにならない方が良いでしょうね。

3、私の患者さんで、薬がよく効いて全く不整脈が出ない患者さんが、不整脈が出ていて、気がついたらビール瓶が5L近く一人で飲んでいたという方がおられました。 ビールやアルコールには利尿作用がありますので、飲んだ余分な水分は尿に出て行ってしまったり、アルコール腸粘膜を刺激して下痢傾向になりますので、どんどん便として排泄されていきます。 そういう場合、お酒の中の水分で体液を交換しているのと同じ様な現象が起こるわけです。 薬剤が体外へ尿と一緒に出てしまった。 そのため薬剤の血液中の濃度が一時的に下がって発作が起こったのだと思います。  その不整脈が命に関わる不整脈であった場合、大変問題だったと思います。 ですので、不整脈で内服をされておられる方で、我を忘れる様な酒癖の悪い方では、お酒は厳禁と思います。 そういう方に限ってなかなかやめてくださらないのですが・・・。

4、お酒の飲み過ぎで肝機能が低下してくる場合があります。 不整脈の薬や血液をさらさらにするワーファリン等の薬剤は肝臓で代謝されるため、肝機能に大きな影響を及ぼすお酒はあまり好ましくありません。 特に長期間の飲酒の摂取歴のため肝機能が荒廃している様な方は禁酒していただく必要があります。 あるいは、そういった不整脈の治療自体を断念する必要がある場合があります。

5、お酒は血管を開きます。 そのため一時的に血圧が低下し、その血圧を維持しようとして心拍数が上がります。 顔が赤くなっているのは血管が開いているためと思うと理解しやすいでしょうか。 そのため、洞性頻脈で元々心悸亢進気味(ドキドキしやすいかた)の方は飲むと症状が強くなりやすいと思います。 また心臓のポンプ機能が悪くて、利尿剤等を飲んで心臓への負担を減らしている様な方ですと、アルコール摂取で血圧の変動が大きくなったりしがちです。 あまりお飲みにならない方が宜しいかと思います。

お酒は、人と人との付き合いを円滑にしますし、お酒を楽しみに日頃仕事をされておられる方もおられます。 決して悪い物ではありませんが、特にある特定のご病気をお持ちの方や、過剰な飲酒は不整脈以外でも大きな傷跡を残します。 飲酒は適量が大事です。 

三好クリニック(内科)
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