三好クリニック 青山・表参道

内科・循環器・高血圧・不整脈

『めまいがするのですが・・』3

立ち上がったとき、ドキドキして、くらっとする。


座っていたり寝ている状態から立ち上がった直後に、くらっとしたり・手に冷汗をかいたようになったり・目の前がかすむみたいに暗くなって倒れてしまったりする。 このような症状は、疲れていたり、朝食事を十分取っていなかったり、風邪などをひいていて、長期的に伏せがちになっていたりするとおこりやすいです。 通常は、座ったりしゃがんだりすると回復します。 このような症状は、起立性低血圧と言います。 一般的には脳貧血と言われているかもしれません。 一時的に脳の血圧が低下して、意識がなくなる事による症状です。 
脳は常に酸素を必要とする臓器です。 なので7秒から10秒ほど血圧が低下すると、脳は活動を停止して、意識が消失します。 立ったり座ったり、時には逆立ちしたりする人間は、脳の血圧を一定に保つために重力と戦う必要があります。 心臓と脳の位置は約50cmほどはなれています。頭の位置が心臓と同じ高さにある寝ているときは特に問題有りませんが、座ったり立ったりすると、頭は心臓より50cm程の落差が生じるため、単純に計算すると脳の血圧は40mmHg程度低くなるはずです。 しかし人体は脳以外の血管を収縮させたりする事で、脳へ行く血圧を維持しようとします。 
足は心臓よりかなり低い位置になりますので、立ち上がると足から心臓へ戻ってくる静脈血液が減少して、心臓は送り出す血液がなくなります。 この状態が続けば、数秒から10秒程で脳貧血がおこります。 人体はそうならないように、足の静脈を収縮させたり、筋肉を収縮させて足の静脈のポンプ機能をフル稼働して、心臓へ戻ってゆく血液の量を維持して、脳貧血を起こさせないようにしています。 また脳貧血がおこった場合、本能的に心拍数を上げて血圧を上げようとするため、動悸を感じる場合もあります。
血管を収縮させて、脳への血液の量をコントロールする体の仕組みは、使わないと数日でなくなります。 病気等で長期間寝ていて、極端に運動量が不足していたり、ほとんど外に出ない暮らしをしている人で、こういった機能が弱くなって、立ち上がった際に、めまいが生じる事が有ります。 逆にこういった血管の運動能力は、訓練する事で簡単に回復するため、体を動かして運動する事で、徐々に回復して行く場合が多いです。 患者さんの多くは、立ち上がると、動悸がしてふらふらするのが怖くて、伏せがちになられる場合が多く、そういった心理は逆に症状を長引かせる場合があります。
 動脈や静脈の収縮をコントロールする自律神経に作用する薬を内服していたり、自律神経の機能が低下するような、糖尿病や神経の変性疾患等が有ると、訓練では回復しない場合もあります。 まずはそういった要因が無いことを確認してゆく必要があります。