アブレーション研究会@北海道に行ってきました。

2017-07-08 09.59.33
今日はカテーテルアブレーション研究会という研究会に参加するため、北海道に行ってきました。 夏の北海道、涼しいかなと思っていったのですが、暑かったです。 みんな半ズボンとかなんですね・・。  学会の道ばたの街路樹の土が剥き出しの部分に、きれいな黄色い花が植えられていて、なんとなく、地元の人の、季節を喜ぶ気持ちみたいなものを感じました。 冬はきっとあのあたりは雪で覆われているのでしょうね・・。  東京ではあんまり、公道にお花を植えたりする人いらっしゃらないですね。 
アブレーションというのは、不整脈を心臓の中にカテーテルを入れて診断して、不整脈の回路を作っている場所を焼いて電気信号を通さなくして不整脈を治療するというものです。 もちろんクリニックの中ではできませんので、ご紹介することになります。 慶應で診療をしているときには、僕自身術者となってやっていましたが、もう開業してまでやれる治療法ではありませんね。 あまりにも大がかり過ぎますし、ドクターや看護師のチームでやる仕事です。 私が大学をやめてから、すでに6年ほど経過しているわけですが、だいぶ治療法は様変わりしてきており、紹介する際や、治療を選択する際に、そういった最新の治療法を、自分ではやらないにしても知っている必要があります。 
ああいった治療法は、誰もが簡単にできるというものでは無く、やはり手先が器用であるかとか、
3次元的な空間把握能力や、カテーテルの弾性、そして操作の際のラグや遊びを計算しながら、目的の場所にカテーテルを留置していかなくてはなりませんので、どちらかというと、人に教わって誰もが皆達人になるわけでは無く、自分で技術を確立して道を究めるものといった治療法です。 今回のアブレーション研究会は、「心筋焼灼道」というサブタイトルらしく、これを見た人は、これが医療関係の学会とはあまり思わないんじゃないかなと思いました。 でもなんとなく、カテーテルをやっている人間はこういう気持ちですかね。
今回も遠方だったので、2時間ぐらいしか学会場に参加できませんでしたが、日頃あまり目にしない話題だったので、とても勉強になりました。 

内科学会に参加してきました

今日は、内科学会総会に参加してきました。 日本の内科の先生のほとんどが参加する学会なので、結構大きな学会だと思います。 東京フォーラムのA会場、一番大きな会場を貸し切って3日間に渡って行います。 大学にいる頃には、その場にいるだけで自然に最新の情報が得られるというとてもよい環境なので、正直内科学会に参加するのは、内科専門医や内科認定医の単位を取るという目的が主要だったような気がしますが、大学を5年も離れてしまうと、内科全体の最新の知見を座っているだけで、教えてくれるこの学会の存在は結構ありがたかったりします。 循環器学会みたいに20近い会場を選ぶ必要もなく、ただメインの会場に座っているだけでいいのですからとてもとてもありがたいです。
今回私が参加したのは、偶然でもあったのですが、脳血栓塞栓などの最新の情報で、今の自分の専門分野でもあったので、ありがたかったです。 自分自身の日頃の診察の判断があまり大きく間違っていないことを実感したのと、大学にいる頃に疑問だったことが最近の研究である程度結論めいたものが出始めていることがわかり、あの頃とても悩んだことはやはり間違いじゃなかったんだなと、これからそういう患者さんがいらっしゃったら迷わず対応できるなと、少し安心もしました。 今年の循環器学会がとても残念な学会だっただけに、なんだかとても得した気分です。

不整脈学会と新幹線

2015-07-29 12.34.34 s
今週水曜日はクリニックをお休みして、京都の国際会議場で、日本不整脈学会に参加してきました。 不整脈学会というのは以前は心電学会という学会と、ペーシング学会という学会が一つになった学会です。 基礎系の電気生理の研究や心電図の研究を行っていた心電学会学術集会と、ペースメーカー治療などのどちらかというと少し不整脈の外科的治療にい領域の先生が集まったペーシング学会が、カテーテルアブレーションによる不整脈治療という基礎的な心電図波形の読影と外科的などちらかというとチャレンジングな要素の双方を持った治療が盛んにされる様になり始め、不整脈学会という学会が出来上がりました。 アメリカでももう少し前に、同じ様な動きがあって、その流れを汲んだ学会の統合だったわけです。 参加者にとってみたら、年に2回学会に参加していたのが1回になって、参加するのが楽になったわけですが、学会が大きくなりすぎて1020近い会場で同時に会議があるので、全部の演題が聞けないのでちょっと残念でもあります。
クリニックを平日連続で休むわけにはいきませんので、日帰半日だけの参加だったのですが、 QT延長症候群と、最新のカテーテル治療についての、外国からの招聘講演を聴講してきました。 なかなか面白かったですが、朝5時起きで、新幹線に乗って、移動だけでも大変で、東京に戻ってきたら疲れて、すぐ寝落ちしてしまいました。 もう歳なんですね・・きっと。

今回は、新幹線のチケットのオーダでちょっとしたアクシデントがあって、ちょっと愚痴っていいですか?
インターネットであらかじめ購入するサービスがあるのですが、今回間違って "e5489"というJR西日本がやっている発券サービスを利用したのでした・・。 このサービス知っている人は知っているのかもしれませんが、 JR東海の券を、JR東日本の駅では受け取ることができないのでした。  「どうして?」僕ははじめ何を言われているのかさっぱりわからなかったのですが、よくウェブページの説明を読むと書いてあります。 でも、東京発の往復のチケットを買うのですから、JR東日本の駅で発券できないなんて、意味わからないのですが・・。 それぐらいちょっと購入する時に、注意喚起してほしかったなー・・。  結局、往路のチケットはもう一度買い直して、京都で発券して、帰りはその切符で戻ってきました。 クレジットカードで購入しているので、往路のチケットは課金されたままでした・・。 高い勉強代でした。 みなさんもご注意を。  JR東海のチケットだけは、JR東日本の駅でチケットを発券するためには、年会費500円とか1000円とか払わないといけないみたいですね。エクスプレス予約っていうらしいです。 たしか4月ごろは発券できた気がするんだけどなー・・。 もう二度とネットでJR東海のチケットを購入するのはやめようと心に誓った一日でした・・。

学会場では、以前慶應にいた時に、お世話になっていた、不整脈関係の業者さんや、心電学会の事務をしてくださっていた、方にお会いして来ました。 みなさんお変わりなく、楽しい時間を過ごさせていただきました。

循環器学会@大阪に出席してきました。

今日は大阪まで循環器学会参加するため、出張してきました。 先々週の内科学会に引き続いて今回は循環器学会、 場所は大阪の中之島の国際会議場でした。 私が大阪に住んでいたのはもう30年近く前ですので、今では別の街のようになってします。 昔はもっとごみごみしていて、それもまたなんだかよかったのですが・・。 今は再開発でとても綺麗な街になっています。 今回もあまり長時間の滞在できず、3時間ほど、学会場で不整脈のセッションを聞いてきました。 内科学会と違って、循環器学会のセッションは30ほどの会場で、会議が同時進行していくので、他分野に興味があっても全部を網羅的に見ることは難しいのが残念です。 去年は血圧のセッションを見に行きましたが、今年は基本に立ち戻って不整脈のセッションを聞いてきました。
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遺伝性不整脈の最新の話題やいろいろな不整脈の話題に混じって、一つ、心臓サルコイドーシスという心臓の難病で発生する不整脈の話があり、感慨深く聞いていました。 それは、私が研修医になって1年目、まだ自分の進路を決める前、初めて病棟で受け持った患者さんの中に心臓のサルコイドーシスの患者さんがいらっしゃったからでした。
サルコイドーシスというのは原因不明の病気で、身体中のあらゆる組織が結核の病巣ににた肉芽という繊維の塊に置き換わっていってしまう病気です。 急激に進行する方もいらっしゃいますし、発症後もほとんど変化ない患者さんもいらっしゃいます。 患者さんの多くは、肺や眼、そして皮膚にそういう病変ができるのですが、たまに心臓にそういうものができて、本来心臓の筋肉である場所が、繊維に置き換わっていってしまう病気です。 これだけ医学が進歩しているのに、この病気は未だに原因がわからず、治療はなかなかに難渋します。 しかしかなり珍しい病気です。 心臓での病気の活動性がその方の寿命を決める大きな要素になるので、病気の活動期にはステロイドの内服薬を使って病気の勢いを止めてあげることが必要になります。 しかしステロイドは体のあらゆる活動を止めるだけの治療法なので、その結果いろいろな副作用が起こります。 例を挙げると、感染症に弱くなったり、骨がもろくなり、本来あまり骨折しないような太い骨が簡単に骨折してしまったり、全身の皮膚が弱くなり皮下出血しやすくなったり、糖尿病になってしまったり、顔がパンパンにむくんでしまったりします。 と言われてもちょっと実感わかないかもしれませんが、しかし医者にとってステロイドを使うのはかなり勇気がいるものなのです。 今日の話だと、維持量といって病気を抑え込むために必要な最低限のステロイドの量が10mgと結構多いのだということを聞いて、ちょっとびっくりしました。 10mgのステロイドを常時飲み続けるのは患者さんへの負担が大きく、そのフレッシュマンの時に受け持っていた患者さんの顔を思い出していました。
私の受け持った患者さんも心臓サルコイドーシスで、多彩な不整脈が出て、病気のコントロールに難渋して、結局ステロイドを使い退院されましたが、ほぼ3ヶ月入院されておられました。 私とほとんど年も変わらない患者さんでしたが、その後も入退院を繰り返していたと伺っています。 ステロイドを使いましたが、それが良かったのか、悪かったのか、今でもよくわかりません。 病気の理不尽さ、治療が正しかったのかどうかの迷い、患者さんのその後の人生を決めてしまう恐ろしさ、そして治療の決断をせまられる重圧、そういったものが入り混じった、とてもほろ苦い医者になりたての時の記憶です。 でもおそらくその出会いがなければ、きっと私は不整脈医にならなかったと思います。 

内科学会@京都に出席してきました

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新幹線に乗って、京都の「みやこメッセ」で開催されていた内科学会に参加してきました。 朝いつもより少しだけ早く起きて久しぶりに新幹線に乗りました。 京都はまだ桜が少し残っていていてきれいでした。 しかし京都駅は駅舎が狭いというのもあるのでしょうが、ひどい混み方でした・・。 いつもこうやって電車で遠い街を移動してみると、その途中の景色や、知らない街の地下鉄とかを使ったりして、その街での生活をしている人を見るととても不思議な気分になります。 そこにはきちんと社会があり、人の生活があるからです。 当然といえば当然なのですが、きっとそこで一生過ごす人もいたりするのだろうなと考えたりします。 そしてこういった移動がなければ、そういう方々ときっと一度も出会えずに一生を終えるのだろうなと、世界の広さと自分の人生の中で出会える人の数の少なさを実感します。 時々、こういうところで生活していく人生も良いかなーなんて、思ったりするのです。 
大学の時の選択によっては、京都の大学に通い、地元の製造業に就職していたかもしれないことを考えると、東京に来て東京で暮らしている今の自分の生活をちょっと不思議な気分で見つめてしまいます。 おそらく京都で生活していたら、それに何の疑問も持たず、その世界で生活し、東京なんて行けるか!(関西人の多くはそんな人種なのです) なんて思いながらきっと生活していたのでしょう。 今日出かけた地下鉄東山駅などは、小学校の低学年の頃、路面電車に乗ってピアノの先生に通っていたのを、薄ぼんやりと思い出しました。 そして、京都は多くの歴史物語が語られた場所でもあるわけで、少し歩くとお寺があり、そして少し目線を上げると、山が見える。 関西に住んでいた人間にとって、この街から山が見えるというのは当然の感覚で、街から山が見えない広大な関東平野はちょっと味気ない気がします。 別に富士山なんて見えんでいいのです・・。 ちょっと緑や木が見えれば・・。

内科学会の話からすっかりそれてますね。
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大学にいる時には、本当に忙しくて、内科学会などの他科の情報など勉強している暇なかったので、残念ながら専門医の単位を得るためだけに出席出かけていました。 最新の情報が解らなくて迷ってしまったら、外来についている若い医者に、最近どんな風になってるの? って聞くと案外最新のトレンドも教えてもらえたりするので楽だったこともあって、あまり自ら専門分野以外の勉強するモチベーションがわかなかったことや、そんな自分のための勉強をするぐらいなら、下の医者の指導をするための時間を割かなくてはと考えていたこともあったかもしれません。 しかし、開業して一人で診療していると、そうやって簡単に情報を得ることができず、それは怖くてたまらなくなってくることがあります。 私の一般内科の知識は20年前の知識で、そして医学の情報は10年ひと昔と言います。 10年も前の情報はすでに古臭くなっているってことは良くあるのです。 
今回の学会は数時間の滞在でしたが、ウイルス感染症に伴う発癌の話や、肺高血圧症、そして高血圧ガイドラインについての講演を聞いてきました。 私も研修医時代にAIDS患者を一名受け持ったことがありますが、その当時不治の病いだったAIDSも、新薬の進歩で最近はAIDS感染症自体ではほとんど死亡されなくなってきていると拝聴して、本当に時代は変わったものだなと、感心して聞いていました。 昔受け持っていて、なんだかよく解らない状態で手探りて治療していた患者さんの病気も少し思い出して、もしかしたらこの病気なんじゃないか、あの病気だったのじゃないかとか考えたりして、あっという間に帰りの新幹線の時間となって、帰路につきました。 来年も楽しみだったりします。 でも近いところが良いな? できたら東京にしてほしい・・。
三好クリニック(内科)
〜青山・表参道〜