三好クリニック 青山・表参道

内科・循環器・高血圧・不整脈

『血圧が低くて困っています・・』

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低血圧で朝がつらいという方、多いのではないでしょうか? でも低血圧って一体なんなのでしょうか?
 
医学的に言う低血圧とはショック状態の事を言います。

病気で血管が開いたり、出血して血液の量が足りなくなったり・・。 様々な要因で血圧が下がり、収縮期の血圧で80mmHgを切る様な場合をショック状態と言います。 普通は顔面蒼白で、心拍が激しく、冷汗が手ににじみ、患者さんの多くは、気温が暖かくても「寒い」とおっしゃるったりします。 それは一般の方が日常で使う「低血圧」とはちょっと意味合いが違う気がしますね。 

では一般的な意味合いでの「いわゆる低血圧」とは何なのでしょうか?
 
安静時の収縮期血圧は90mmHg前後でも、「いわゆる低血圧」の症状が出ない人もいます。 塩分を人間ほど取らない動物の安静時の血圧を測定すると80台後半である事が多いです。 人間意外の脊椎動物の血圧はほぼ同じですので、たとえ血圧が安静時に80台であってもそれだけで死ぬ事はありません。そして、活動時に素早くきちんと血圧が上がり、体にきちんと酸素を送り込む事が出来れば、「体が重い」「動けない」といった「いわゆる低血圧」の症状は出ません。 健康な患者さんに診られる「いわゆる低血圧」の場合、薬では良くなりません。適切な薬剤が無いと言った方が良いかもしれません。 もともと人体には活動時に血圧を上げる機能が十二分に備わっているため、本来ある血圧を上げる機能を取り戻す事の方が重要なのでしょう。
こういった「いわゆる低血圧」を引き起こす人にはいくつかのパターンがあり、そういった日常生活を改善する事で、低血圧の症状を改善する事ができるかも知れません。

低血圧を起こす要因には

  1. 不規則な生活をされておられる方: 人間の体は一日24時間のリズムがほぼ決まっています。 寝る時間、起きて活動する時間が、一定のリズムで行われる事で、眠りから覚めて起き上がる時間がある程度決まります。 そのリズムから逆算して起床の直前に血圧を上げるホルモンの準備や自律神経の準備をすると言われています。 なので、不規則な生活をしていたりしてリズムが十分出来ていなかったり、夜更かしなどでリズムが狂ってしまった場合、血圧を上げるホルモンの準備が無い状態で起き上がる必要があり、活動に必要な血圧が上がらず、起床時に「だるい」「つらい」と感じるようになると考えられます。
  2. 女性ホルモン: 女性ホルモンはいろいろ異論があるようですが、投与すると血圧が下がる傾向にあります。 女性に低血圧が多いというのはうなずけます。 しかしそれ以外にも、女性は体重を気にしがち、あと足の浮腫等も美容の面から特に気にしがちで、水分の摂取や塩分の摂取を過剰に控える傾向があります。 しかし塩分量や水分量を制限しすぎると、循環血液量が低下して血液を血管の中に十分満たして圧力を上げる事が出来なくなり、低血圧となります。
  3. 低体温の方: 良く無理な絶食ダイエットなどをされるかたおられますよね。 繰り返すと、基礎代謝が下がりいわゆる体が冬眠のような状態になるために、やせにくくなるとも言われています。 そういった方の特徴として、安静時の心拍数が遅い(毎分60を切る)、体温が低い(35度とか)といった事があったりします。 体温が低かったり、心拍数が低すぎると、それにあわせて血圧も低くなる事が多く、いざ体を動かそうとしても、心拍数が上がらず、血圧が上がらないという事になる事があります。 やはりダイエットには適度な運動が必要なのです。

病気と関連した低血圧

  1. 血圧の薬: 血圧の薬は強制的に血圧を下げます。 普通の生活をしていたらある程度ご自身の高い血圧と見合う分だけの降圧薬を飲んでおられる方が、例えば食事がとれなくなったり、旅行等されて、食生活ががらっと変わったりして、体本来の血圧が急激に下がり、それ以前に飲んでいた血圧の薬では血圧が下がりすぎてしまうという事があります。 特にたくさんのお薬を飲んでおられる方が予期しない低血圧になる可能性があると思います。 やはり血圧の薬を3種類以上飲んでおられる患者さんは、旅行中に手首ではかるタイプでも結構なので携帯型の血圧計をお持ちになられた方がよろしいかと思います。 
  2. 全身の病気と関連した低血圧: こういった「いわゆる低血圧」の症状に近い全身の病気がいくつかあります。 甲状腺ホルモン・副腎ホルモンの異常や、血圧調整に関連する脳神経・自律神経の病気、脱水や塩分喪失に伴う低血圧や、徐脈性の不整脈疾患、周期的に脱力してしまうミネラルの異常等。 こういった病気は、詳しい症状や採血、心電図等でわかったりする場合があります。 頑固な「いわゆる低血圧」に悩まれておられる方の中にはそういった病気が隠れている事があります。 あまり頑固な症状があるようなら、やはり一度医者に相談してみるのも良いように思います。

医者に、「私低血圧で朝が辛くて」と言っても、スルーされる事が有りますね。私も時々スルーしてしまいます。 医者の言う低血圧と、患者さんの思っている低血圧が違うためにおこる誤解なのですが、もう一つ、あまり良い治療法が無く、生活上の注意でなんとかやって行くしか無いという点が、医者の治療意欲を失わせている原因でもあります。 ただ、全身の病気と関連した低血圧の場合、少し問診して、診察をすればだいたい解って来ますので、そうでなければ、「大丈夫」の一言ですまされたり、「朝食に少し塩分を取ると良いですよ」なんて言う話で終わってしまう事が有ります。 しかしやはり基本は、規則正しい生活をして、適度な運動を心がける、日の明るい時に行動し、むやみに夜更かししない。 そして無理なダイエットをせず、医学的に適正な体重を心がける様にする事が大事だと言えます。  ただほとんどの患者さんがその今の生活スタイルを普通と思っておられますからね、念を押しますが主観的な感覚ではなく、あくまで客観的な見解が重要です。