『肘の所ではかる血圧計と手首や指ではかる血圧計がありますが、どれが正しい血圧計なのですか?』

一般的に医者が治療の方向を決めている血圧は肘につける血圧計のデーターを見ています。 血圧を出しているのは心臓ですから、心臓から離れた方が測定出来る圧は低くなるように思われがちですが、実は逆で血圧は心臓から離れた方が高くなる傾向があります。 これは、心臓から送られてきた脈が毛細血管の少し手前側で反射して、その反射した脈と心臓から送られてくる脈が重なって、圧力がさらに高くなるという現象がおこります。 血管が柔らかいと反射する波が小さいため、重なる波が小さくてすみますが、動脈硬化が進み血管が固くなると、この反射する波が大きくなり、肘から手首、指先へ行くにつれてどんどん血圧が高くなってきます。 なので出来れば肘の上で計る血圧計を使ってもらえるとありがたいです。
ただ、手首や指先ではかる血圧計は小型で持ち運びが良いという利点があります。 手首の血圧計は医者が測定している血圧と少し異なるという不都合はありますが、自宅での血圧の傾向はわかりますので、手首ではかっているという事をおっしゃっていただいて、測定を続けていただくのは問題ないと思います。
また圧迫するために巻いている布の部分(マンシェットと言いますが)が心臓と同じ高さにある事が重要です。 肘の血圧計だと、どのような姿勢になってもほとんど心臓と同じ高さになりますが、手首の血圧計だとなかなかそのあたりが難しいかもしれません。 水銀の比重を13.6とすると、心臓より20cm低い位置で血圧を測定すると、15mmHg程度肘で計る血圧計より血圧が高めに測定されてしまいます。

三好クリニック(内科)
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