胸の痛み-5

11、胸部の骨格の痛み
胸の前側は、実は肋骨と、胸の真ん中にある。幅3~4cm程度の長細い胸骨と言う骨が、軟骨(肋軟骨)でつながった関節があります。 関節と言えば、膝とか肘とかを想像しますが、胸骨と肋骨の境目も関節があって、この関節が動く事で、胸が広がって息が出来るのです。 関節は負担がかかりやすい部分です。 なので重いものを胸の前で抱えたり、肩に乗せて運んだりすると、その後胸が痛くなる事があります。 強い咳や、打撲等でもおこります。この痛みは、場所が明確で、押すと痛みが強くなる部分があるので解ります。 呼吸等胸の骨が動く様な動作で痛みが強くなる事もあります。 また皆様インフルエンザ等高熱が出る病気にかかられると、体の節々が痛くなる事あると思います。 その際に、胸の関節も痛む場合があります。 普通の解熱鎮痛剤で少し症状が出にくくなる場合があります。

12、心因性の胸部症状
最後に、これはどうしてそうなるのか解りませんが、例えば、感情がたかぶる際に、胸のあたりが、熱くなったり、キューッとしたり、痛くなったりする事があります。 恐らくこのため昔の人は心が心臓の位置にあると思ったのでしょう。 こういった症状は通常痛みの部位が漠然としていて、何かほかのことに意識を集中しているとき(例えば旅行等に行って、気分が変わったりすると)に症状が無くなったりします。 これは他のいろいろな考えられる病気を除外した後の診断になります。 

最後に
いろいろかきましたが、胸が痛いという症状を見た場合、大体このような病気を疑います。 症状からほぼ9割診断が付くと言いますが、病気の診断ですから本来10割診断が付かなくてはなりません。 そのため、よく患者さんのお話を聞いた上で、診察し、適切な検査を行って診断を行う事になります。 症状があまり典型的でなかったり、病気は重症だけれど症状が軽かったり、全くなかったりする場合もありますので、やはり気になる症状があるようならば、自分だけで判断せず循環器内科の先生に一度御相談いただいた方が良いでしょうね。

三好クリニック(内科)
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