三好クリニック 青山・表参道

内科・循環器・高血圧・不整脈

「ちょっとちくっとしますよ」2

前回は、皮膚の表面を貫通するときの痛みの話をしました。 今回は、もう少し深いところ、静脈の壁にある感覚神経を刺激して起こる痛みについて説明しましょう。

患者さんの中には「血管の壁が固いですね」と言われることありませんか? 結構採血の頻度が多いと思います。 これは正確には血管の壁が固いのでは無く、何度も血管の周りに出血し、それが治る際に、少し固めの繊維のような物や、石灰(カルシウム)が含まれた物で修復されてしまうため、血管の周囲が堅く分厚い物で覆われてしまうことによります。 なので高血圧などで問題となる動脈硬化とは全く違う現象です。 安心してください。 この堅い部分を貫通するときに、静脈の感覚神経を刺激して痛みが出たり、壁のところの抵抗が強すぎて、針が血管の中にきちんと入りきらず、採血するときに周囲に血液が漏れ出してしまい、それが痛みにつながることがあります。 もう何度も採血していて、そうなってしまっている人は仕方ないのですが、こうならないようにするには、前回の採血時にきちんと血を止めておくことが大事です。 ここのクリニックでは、皆様の処置の時間をある程度とっていますので、採血したあと、きちんとスタッフが血液を指で止めていると思います。 しかし、大学病院だと血を止めるのを患者さんに任せっきりにしたり、バンドみたいな物で止めたりしているんじゃ無いでしょうか? 血液を止めるのに患者さん任せになってしまうことが多いのです。  イメージ的には、小さな「かさぶた」で血管の穴をふさいだ方が良いというところでしょうか? 血液が止まらず、どんどん大きなかさぶたになって止まってしまうと、表面のかさぶたなら直ったときに「ぽろっ」ととれますが、皮膚と血管の間に出来たかさぶたは、そのまま繊維とか石灰に置き換わってしまうのですね。 

よく患者さんに見られる止血の間違いを説明して見ましょう。
1,すぐ肘を曲げちゃうのは良くないです: 患者さんでよくお見かけするのは、採血したあと、消毒のための綿を肘の内側に挟んで、肘を曲げて綿を落とさないようにして。 反対側の手で、鞄を持って歩いていたり、スマホに夢中になっている人いますよね。 それをするとたいていの場合2-3日すると、肘のところが真っ青になって、大きな内出血を起こしてしまうことが多いです。 肘は伸ばして、反対側の手の指先の腹の部分で押さえてください。 それほど力を入れなくても止まります。
2,指の先っぽで力一杯押し込むのは良くないです: 出血するのが怖くて、指の先端でぐいぐい押し込んじゃったりしている人を見かけることがあります(指を立て押してはいけません)。 指の先端は力が加わりますが、面積が狭く、強く押と、肝心の血管の穴の開いた部分が、指先からずれてしまっていることが多いです。 押さえるのは指の腹で押さえるのが良いでしょう(指を寝かせて)。 それほど力一杯押さなくても、ピアノの鍵盤を軽く沈めるぐらいの圧力で3分ぐらい押さえると必ず止まります。
3,止血用のバンドを過信しないで: 最近止血用のゴムのバンドを着けてくれるところもありますね。 ただあのバンドつけた状態でも肘を曲げたりすると、上の方にずれたりしてしまい、知らない間にバンドが血管の穴を外れてしまうことがあります。 バンドを着けているからといって、あまり安心しないで、きっちり肘は3分ぐらいは伸ばして動かさないようにしておいた方が良いです。
4,血液をさらさらにする薬や、鎮痛剤などを連量している患者さんだと、血が少し止まりにくくなります。 その場合は我々スタッフに任せてください。 
こうやって採血の時にきちんと血液を止めていると、採血の時に何度も刺されにくくなりますし、採血の時の痛みも和らぐ傾向にあります。  採血の時痛いより、痛くない方が良いですよね・・。