三好クリニック 青山・表参道

内科・循環器・高血圧・不整脈

コレステロールは下げた方がよいのか? 下げない方がよいのか?2

コレステロールの役割


コレステロールは体を構成する重要な要素です。しかし多すぎるのが良くないのは確かです。

コレステロールは細胞の膜を構成する要素の一つです。


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動物の細胞は細胞膜という膜に囲まれています。 コレステロールはその膜に一定量含まれています。 最も多く含まれる臓器は脳や神経です。 細胞膜とはちょうどシャボン玉を想像してもらうと良いでしょう。 ちょうどシャボン玉の表面の模様が少しずつ動いているように、細胞膜も少しずつ動いています。 コレステロールが細胞膜に含まれるとこの動き(流動性)が変化するようですが、あまり一定の見解はないようです。 コレステロール以外の分子も似た様な作用を持つ事から、コレステロールが絶対になくてはならないと言う訳では無いようです。 

コレステロールはホルモンの原型になります。


コレステロールは性ホルモンやステロイドホルモン、ビタミンDの原料になります。 生殖器や副腎などで、コレステロールはホルモンの原料になります。 しかしこれらホルモンに必要なコレステロールの量はかなり少なく、コレステロールが増えたからといって、こう言ったホルモンの量が増えるわけではありません。 

コレステロールは消化に必要です


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脂肪の消化に重要な働きをしています。 コレステロールは胆汁酸といって胆嚢から分泌される消化液の原料にもなっています。 胆汁には胆汁酸とその原料になっているコレステロールが含まれています。 そして十二指腸に分泌されたコレステロールの90%は、もう一度小腸で再吸収されます。 こうして腸に出しては再吸収を繰り返しているコレステロールの量は、ほぼ血液中に含まれているコレステロールと同じ位だと言われています。 ですので下痢が続いたり、植物繊維を多く含む食事をすると、腸の中での循環の環が途切れて体外に排泄される量が多くなります。




 

コレステロールはどこから来るのか


コレステロールは肝臓で作られます。 全体のほぼ5割から7割が肝臓で作られると言いますので、食生活の注意だけでは血液中の悪玉コレステロールを下げる事は難しいですが、鶏卵、牛肉・豚肉等の動物性脂肪(レバーにも)に圧倒的に多く含まれているので、それらを取らない様にするだけである程度下がります。  これは私の経験ですが、毎日鶏卵1個を食べていた際に150-160位あった悪玉コレステロールが、鶏卵取るのをやめるだけで120近くまで下がったりしました。 ですので、食事制限はとても大事です。 しかし肝臓で作られるコレステロールも多く生活習慣の改善だけではコントロールが付かない患者さんも多いです。 
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悪玉と善玉の違い


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血液中には悪玉コレステロール(LDLコレステロール)と、善玉コレステロール(HDLコレステロール)が流れています。 誤解を恐れず簡単に申し上げると、悪玉は肝臓から体の各部分(血管の壁など)へコレステロールを送り出すためのもので、善玉は体の各部分で不要になったコレステロールを肝臓に呼び戻すためのコレステロールだと思ってください。 コレステロールが高くて、最も問題になるのは、血管の壁等に過剰なコレステロールが蓄積してしまうことがきっかけになっておこる、動脈硬化、そして動脈が詰まってしまう現象です。 ですので体の各部分に余分なコレステロールを送らない、そして余分なコレステロールを肝臓に戻す、つまりそれを防ぐには悪玉を下げて、善玉を上げると良い訳です。 




コレステロールの低い方の特徴


ここからは医者としての個人的な経験のお話です。 血液中のコレステロール濃度は、その方の肝臓の機能や栄養状態を示している事が多いです。 慢性の感染症でやせ細ってしまっている人や、癌や大手術等で体力を奪われている患者さんや、食事をきちんととれなくなってしまっている様な患者さんの採血のコレステロール値はかなり低いです。 また慢性的に下痢が続いている様な患者さんも低い方が多いです。 また菜食主義者や動物性脂肪をおもに魚類から取られるかたもコレステロールは低いです。 これは魚類や野菜に含まれるコレステロールと似た構造をした物質が含まれていて、これがコレステロールのふりをしてコレステロールの再吸収をブロックします。 そのため、魚や野菜を取る事でコレステロールの濃度が下がります。 

コレステロールの高い方の特徴


コレステロールの高い方の特徴は、食事に豚肉や牛肉、そして、鶏卵等のコレステロールが多い食品を好んで食べる方や、脂ぎっている人(すいません俗っぽい表現で)が多い気がします。 若い方は珍しく年齢が40台以降の患者さんが多い気がします。 体重は肥満気味の方に多い気がしますが、痩せている方でも、悪玉コレステロールが異常に高い方がおられます。 特に家族にコレステロールが高い方にコレステロールが高いことが多く、こういった患者さんの中には、悪玉コレステロール(LDL)を壊す機構が極端に低下している方がおられる様です。 またどちらかというと、運動不足で便秘気味の患者さんにコレステロールが高いように思います。 特に90歳近い高齢者で、足腰が不自由になっておられてほとんど動かれたりする事が無い様な患者さんで、病院に来院できるぐらい栄養状態の良い方はコレステロールが高いように感じます。 運動量の低下とともに、恐らく、腸の蠕動運動が低下して便秘気味となり、コレステロールの小腸での再吸収の効率が良くなりすぎているのかもしれません。