植込みデバイス関連冬季大会に出席してきました。

昨日パシフィコ横浜での第10回植込みデバイス関連冬季大会に出席してきました。 
大学をやめてから7年経って、もうだいぶ医療の現場も変わってきているようです。 私もおそらく後5年もしたら、不整脈専門医とは言えなくなっているでしょうね。  元々今年が不整脈専門医の更新年で、実は学会参加単位が少し足りなかったので、仕方なく参加できる学会を探して、参加してきたのですが、この研究会は少し聞きたいお話があったのでちょうど良かったです。
今回参加してきたのは、リードレスペースメーカー、つまり電池や本体がすべて一体化したものを心臓の中に埋め込むというタイプのペースメーカーについてでした。 去年の9月から保険償還され、普通に保険診療で植込みができるようになってきたわけですが、どういった器具で、どういったメリットデメリットがあるのか、患者さんに大学病院受診を勧める際の予備知識を持っていないとまずいので、情報収集してきました。 徐脈型の心房細動患者さんなんかにはとても良い適応だなと思いました。
心臓内に埋め込んでしまえるぐらいの大きさの本体で10年間ペースメーカーが稼働できるというのは、驚きですね。 考えてみたら、ペースメーカーの小型化に最も貢献したのはおそらく携帯電話なんでしょうね。 たしかに、ペースメーカーは一部の患者さんにとっては重要な機器ですが、携帯電話を使っている人数は莫大で、とても大きな開発のための実験場になったのでしょうね。 リチウム電池、レアメタル、そういったことを多くの人が切磋琢磨して頭を悩ませた事で、この20年ぐらいの充電池の性能は格段に向上したと思います。 なかなか小型化、長寿命化の進まなかった、ペースメーカーがあれほど急速に小さくなって来たのも、そういった電池研究の裾が広がり、人々の理解が深まったこともあるのではないかなと思います(ペースメーカーに入っている電池はリチウム充電池ではないですが)。
おそらく将来、ロボットや、アシストスーツや、義手、義足、人工心臓などの技術が実用化するためには、まだまだ充電技術の進歩が必要なのだと思いますね。 小型化や、放熱技術、非接触型充電技術等など・・。 でももうそうなってしまうと、医者というよりは、 工学博士ですね。 でもとても大事な分野なんでしょうね。
三好クリニック(内科)
〜青山・表参道〜