福岡でアブレーション研究会に出席してきました。

福岡国際会議場
私は不整脈専門医という資格を持っているのですが、そういった学会の資格の維持のため、ある程度学会等に参加する必要があります。 単位制になっていて、ある一定の期間に指定された学会に参加したり発表したりしないと、専門医という資格は維持できなくなるのです。 私は今更手術をすることも無いので、アブレーション研究会というカテーテル手術を専門に扱う学会に参加しても、直接的にはあまり恩恵を得られるわけではありませんが、 大学に在籍していたときに疑問に思っていたことが、明らかになってくるのを見るのはなかなか刺激的なものですし、また患者さんをカテーテルアブレーションに送り出すときに、現状どのような考え方で治療が選択されているのかを知る上で、やはりこういった会議には定期的に参加していたほうが良いだろうなと思っています。 大学を離れて1-2年間は、退職したときとあまり大きな違いはなかったですが、今回はちょっとだいぶ様変わりしていて勉強になりました。 
学会は福岡でありました。 福岡まで早朝の飛行機で行き、電車とバスを乗り継いで、学会場に到着したのが10時頃でした。 そこで2時間程、心房細動のカテーテルアブレーションのセッションを聞いて、午後3時の飛行機で東京に戻ってきました。 移動が6時間、空港での待ち時間3時間で、たった2時間ぐらいしか、学会に参加できないのはちょっと残念なのですが、それ以上滞在すると体力的に厳しいので、仕方ないです。 今度は東京でやってほしいな・・。
今回のセッションで感じたのは、5年前には、心房細動の治療に何故か良く効くと言われたある一つのカテーテル治療の方法が全く否定されてしまったということでした。 実際アブレーションをやっていても、やっている我々も全く効いている気がしなかったので、まあ当然の結果だろうなと思って見ていましたが、それが大規模な症例数を集めてあまり効果がなかったと証明されたわけです。 初めてその方法を提唱した人は、ちょっとショックだったかもしれませんね・・、もしかしたらオリジナルの方法が間違って皆に伝わったために生じた悲劇なのかもしれませんが、その治療原理を考えるとちょっと狂ってるとしか思えない方法だったので、当然の結果だったのだと思います。
もう一つは、心房細動のカテーテル治療の際に、電気信号が弱い部分が見られるのですが、 通常の肺静脈の隔離手術のあと、その弱い部分の周囲を丹念に焼くと、より再発が少ないと言うもので、これはなるほどなと思う方法でした。  心房細動のアブレーションを何度も何度もやらなくては止まらないような患者さんにとっては、この方法は結構良い方法だなと思いましたが、これも本当の結果が出るのにもう少し時間がかかるかもしれませんね。 いずれにせよ、心房細動で悩んでいる患者さんには朗報でしょうね。

 
三好クリニック(内科)
〜青山・表参道〜