『心拍数ってどのぐらいが良いのでしょう?』
あけましておめでとうございます。 11月頃から年末にかけて忙しく、更新が途切れがちになっていました。
三好クリニックは不整脈を専門にする外来という事もあって、患者さんと心拍についてお話する機会が多いです。 その中で安静時の心拍数はどのぐらいが良いのかという話で盛り上がる事があります。
根拠に乏しい迷信なのですが、「動物が一生のうちに動かせる心拍数は決まっていて、心拍数が早ければ早死にし、心拍数が遅いほど長生きする」という事を信じている方もおられる様です。 成人の安静時の心拍は毎分60回ぐらいです。 その考えからすると、心拍が90ぐらいの人はがっかりし、40ぐらいの方は胸を撫で下ろしているかもしれません。 理屈にかなっているようにも見えるため信じてしまう方が多い様です。 どちらかというと「ラッキー保存の法則」と同じような感覚でしょうか? 根拠の無い迷信です。
比較動物学の分野では、大きな動物から小さな動物までの心拍数・寿命・体重を比べた研究があります。 それによると、大きな動物ほど心拍数が低く、寿命も長い傾向があるらしいです(クライバーの法則)。 これも、心拍数が低い方が寿命が長いのでは無いかと思われる根拠の一つの様です。 しかし人間に当てはめて考えるとおかしな事になります。 肥満体の方は一般的に心拍数は早めで、動脈硬化にもなりやすく、寿命は短命になりがちです。 現実は逆ですね。 実はこの法則が比較できるのが、種類の違う動物同士だけであって、人間同士の比較はできないのです。 もっというと自然界の動物には肥満は見られません。肥満が無い野生動物種間での観察結果は、肥満という自然から逸脱した現象がある人間には当てはまらないのです。
例えば血圧を下げる薬剤の中でも、心拍数を下げる薬剤の多くに寿命を延長させる効果ある事が臨床試験で証明されています。 心臓の筋肉への血液供給という点から考えてみると、心臓の筋肉に血液が巡っているのが、心臓が緩んでいる時であるという事と、一回の心臓の収縮している時間が、心拍数にあまり影響されずある程度の時間かけて収縮するため、心拍数が早くなると、緩んでいる時間が短くなり、心臓へ送られる血液の量が減ります。 なので、心臓の事だけを考えるならば、心拍数は遅い程良いはずですが、もっともっと心拍数が減ってしまうと、心臓から送り出される血液の量が減ってしまい、生命活動を維持できません。 ですので、ちょうど良い安静時の心拍数は、一分間に50回から80回ぐらいでしょうか? 安静にしていると思っても、しゃべったり、周辺に人がいると無意識に緊張して心拍数が上がりますので、90回ぐらいある人もいますが、寝ているときに心拍数がきちんと下がっていれば問題ありません。 覚醒時と睡眠時、つまり一日の平均の心拍数が毎分80回を越える人は、少し生活パターンや、内蔵に問題がある事が有りますので検査が必要になります。
また運動選手の安静時の心拍数が低い事は良く知られています。 40台は良く見られますが、時々30台の方もおられる様です。 これは、スポーツによって末梢の筋肉などでの酸素の取り込み能力が高くなり、少しの血液の流れ出も十分酸素を行き渡らせる事が出来る様になるためだといわれています(こちらも見てみてください)。 心拍数が低めの方の中には、リズムを作るペースメーカー細胞の異常である場合もありますが、多くは、毎日よく体を動かしておられる方が多く、逆に心拍が早い方は、殆ど体を動かす事無く生活されている方が多い様です。 毎日行う適度な運動は、健康を維持するのにとても重要です。 日々の運動の結果としてそのような方は心拍数が落ち着いているでしょうね。 つまり寿命は心拍数そのものが問題なのではなく、心拍数を速くしたり遅くしたりしている原因が寿命に関係しているという事なのでしょう。 心拍が早いからといって、特に思い悩む必要はありませんが、心電図・採血等で特に内蔵に異常が無いことが解れば、毎日1時間程度の運動を続けられる事をお勧めします。
三好クリニックは不整脈を専門にする外来という事もあって、患者さんと心拍についてお話する機会が多いです。 その中で安静時の心拍数はどのぐらいが良いのかという話で盛り上がる事があります。
根拠に乏しい迷信なのですが、「動物が一生のうちに動かせる心拍数は決まっていて、心拍数が早ければ早死にし、心拍数が遅いほど長生きする」という事を信じている方もおられる様です。 成人の安静時の心拍は毎分60回ぐらいです。 その考えからすると、心拍が90ぐらいの人はがっかりし、40ぐらいの方は胸を撫で下ろしているかもしれません。 理屈にかなっているようにも見えるため信じてしまう方が多い様です。 どちらかというと「ラッキー保存の法則」と同じような感覚でしょうか? 根拠の無い迷信です。
比較動物学の分野では、大きな動物から小さな動物までの心拍数・寿命・体重を比べた研究があります。 それによると、大きな動物ほど心拍数が低く、寿命も長い傾向があるらしいです(クライバーの法則)。 これも、心拍数が低い方が寿命が長いのでは無いかと思われる根拠の一つの様です。 しかし人間に当てはめて考えるとおかしな事になります。 肥満体の方は一般的に心拍数は早めで、動脈硬化にもなりやすく、寿命は短命になりがちです。 現実は逆ですね。 実はこの法則が比較できるのが、種類の違う動物同士だけであって、人間同士の比較はできないのです。 もっというと自然界の動物には肥満は見られません。肥満が無い野生動物種間での観察結果は、肥満という自然から逸脱した現象がある人間には当てはまらないのです。
例えば血圧を下げる薬剤の中でも、心拍数を下げる薬剤の多くに寿命を延長させる効果ある事が臨床試験で証明されています。 心臓の筋肉への血液供給という点から考えてみると、心臓の筋肉に血液が巡っているのが、心臓が緩んでいる時であるという事と、一回の心臓の収縮している時間が、心拍数にあまり影響されずある程度の時間かけて収縮するため、心拍数が早くなると、緩んでいる時間が短くなり、心臓へ送られる血液の量が減ります。 なので、心臓の事だけを考えるならば、心拍数は遅い程良いはずですが、もっともっと心拍数が減ってしまうと、心臓から送り出される血液の量が減ってしまい、生命活動を維持できません。 ですので、ちょうど良い安静時の心拍数は、一分間に50回から80回ぐらいでしょうか? 安静にしていると思っても、しゃべったり、周辺に人がいると無意識に緊張して心拍数が上がりますので、90回ぐらいある人もいますが、寝ているときに心拍数がきちんと下がっていれば問題ありません。 覚醒時と睡眠時、つまり一日の平均の心拍数が毎分80回を越える人は、少し生活パターンや、内蔵に問題がある事が有りますので検査が必要になります。
また運動選手の安静時の心拍数が低い事は良く知られています。 40台は良く見られますが、時々30台の方もおられる様です。 これは、スポーツによって末梢の筋肉などでの酸素の取り込み能力が高くなり、少しの血液の流れ出も十分酸素を行き渡らせる事が出来る様になるためだといわれています(こちらも見てみてください)。 心拍数が低めの方の中には、リズムを作るペースメーカー細胞の異常である場合もありますが、多くは、毎日よく体を動かしておられる方が多く、逆に心拍が早い方は、殆ど体を動かす事無く生活されている方が多い様です。 毎日行う適度な運動は、健康を維持するのにとても重要です。 日々の運動の結果としてそのような方は心拍数が落ち着いているでしょうね。 つまり寿命は心拍数そのものが問題なのではなく、心拍数を速くしたり遅くしたりしている原因が寿命に関係しているという事なのでしょう。 心拍が早いからといって、特に思い悩む必要はありませんが、心電図・採血等で特に内蔵に異常が無いことが解れば、毎日1時間程度の運動を続けられる事をお勧めします。