胸の痛み-2

胸の痛みを起こす病気

少し病名を上げて、典型的な症状を挙げてみます。

1、狭心症:
心臓の筋肉を栄養している冠動脈と言う動脈の動脈硬化でおこる胸部の痛みです。 たいてい、階段を上ったり歩いたりして、体を動かしている時におこり、止めると治る事が多いです。 胸をつままれるような、重いものをのせられるような感じ、 首や左の奥歯あたりに痛みを感じる場合もあります。 また左手に痛みが放散する事もある様です。 今まで無かった症状が出始めたり、今まで大丈夫だった運動量でも症状が出始めたりする時期は、不安定狭心症といって心筋梗塞に移行する事が有るので注意が必要です。 そのような場合は緊急に入院が必要になります。

2、心筋梗塞:
冠動脈が何らかの原因で詰まってしまって、心臓の筋肉が壊れる時に痛みが出ます。 これは体を動かしている時とは関係なく、胸が重いとか、万力で締められるようなとか、焼けるような感じであったり、冷や汗を一緒に伴ったりする場合もあります。痛みが10分とか15分以上継続します。 あらかじめニトログリセリンを処方されていて、ニトロが効果が無いような場合、やはり救急車等をお呼びになられた方がよろしいでしょう。 痛みがある場合もありますが、糖尿病や高齢の患者さんですと痛みが無い無痛性心筋梗塞の場合もあります。 そのような場合定期的な心電図検査をお勧めします。 心筋梗塞が発症した場合、発症から6時間以内であれば、閉塞した血管を広げる緊急手術を行うと、その後の心機能の快復が良い事が知られています。 なので、非常に強い胸の痛みが持続するようならば、夜中でも朝まで待たずに救急車を呼んで、救急病院を受診される事をお勧めします。 逆に、12時間以上経過すると痛みを感じる神経も壊れてしまうため、同じ痛みが12時間以上続く事は珍しいです。

3、気胸:
肺に穴が開いて、空気が肋骨と横隔膜で囲まれた胸腔という空間と肺の間に空気が入ってしまい。 肺が十分広がらない事が有ります。 痛みの程度は人それぞれですが、息を吸う時に痛みがある方が多い様に思います。 あまり漏れた空気が多くなり肺が広がらなくなると、息が苦しくなったりします。 また歩くと、胸腔の中で肺が揺れる感じを感じられる方もおられます。 こちらも入院して治療が必要となります。 レントゲン検査で解りますが、漏れた空気の量が少量だと、初めのレントゲンでうまく見えず、少し間を置いてみるとよく見える事があります。

続く
三好クリニック(内科)
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